講演情報

[2A-05]モーラの類似性と単語の生成確率を考慮したライムフレーズ生成

*三林 亮太1、山本 岳洋1、大島 裕明1 (1. 兵庫県立大学)
発表者区分:学生
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:あり

キーワード:

テキスト生成、ライム、モーラ

本論文では,モーラの類似性と単語の生成確率を考慮したライムフレーズ生成手法を提案する.
ライムは母音列が一致する単語のペアを指し,短歌やラップなどの様々な創作物に含まれる技法である.
ライムは創作物に含まれる表現の質を高めることができるが,音の一致や周辺の文脈との一致などの制約を同時に満たす必要があるためライムを考えることは難しい.
このような問題を解決するための創作補助ツールとして,ライムを検索するサービスがいくつか公開されている.
しかし,これらのサービスは辞書レベルの単語に限定されており,口語的なライムやフレーズレベルのライムを検索することは難しい.
そこで,本研究ではテキスト生成モデルを用いた,任意の音素列を満たすライムフレーズの生成手法を提案する.
具体的には,日本語GPT-2モデルを用いて各生成ステップでにおける生成確率を音素に従うように操作することで,ライムフレーズを生成する.
生成手法は母音レベルの音素一致と,母音と子音レベルの音素一致の2種類の手法を提案した.
100件のライムペアデータを基に,提案手法と既存のライム検索システムの比較評価をおこない,母音レベルの生成手法がCER(Character Error Rate)においてほぼ完全な母音一致の性能を示し,母音と子音レベルの生成手法がフレーズ長において良い性能を示した.