講演情報

[3A-04]企業レポート中の ESG に関する公約の検証可能性の判別

*朱 博瑄1、関 洋平2、欅 惇志4、柏野 和佳子3、神門 典子5,6 (1. 筑波大学情報学群知識情報・図書館学類、2. 筑波大学図書館情報メディア系、3. 国立国語研究所、4. 一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科、5. 国立情報学研究所、6. 総合研究大学院大学)
発表者区分:学生
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:あり

キーワード:

LLM、ESG、ICL、RAG、コーパス構築

本研究では,企業レポート中の ESG (環境・社会・ガバナンス)に関する公約の検証可能性を根拠の明確さにより判別する.企業レポートにおける公約について,その検証可能性を根拠の性質により判別することは,あたかも環境に配慮しているかのように見せかけるグリーンウォッシングの防止にも繋がり, ESG 評価において重要と考える.そこで,本研究では企業レポートに公約と根拠の性質を反映したラベルを付与したデータセットを作成し,LLM(大規模言語モデル)を用いて自動で判別を行う.LLM による判別にあたっては,RAG (検索拡張生成)と In-context Leaning(文脈内学習)を用いる.具体的には,分析対象データと類似したデータを正解ラベルと共に複数件検索し,それらを LLM に入力するプロンプトに含めることで,LLM による判別精度の向上を目指す.プロンプトではタスクの思考過程を段階的に説明することで,Chain-of-Thought Prompting を行う.また,図表や絵などの画像情報の追加により,根拠の性質の判別精度の向上を目指したマルチモーダル手法の有効性も検証する.