講演情報

[3J-05]オンラインタスクを用いた津波避難所選定の効率化

*橋本 拓磨1、伊藤 寛祥1、安川 暁悠2、井ノ口 宗成2、森嶋 厚行1 (1. 筑波大学、2. 富山大学)
発表者区分:学生
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:あり

キーワード:

地理データ、災害・防災、クラウドソーシング、ヒューマンコンピュテーション

津波による人的被害を減らすには避難所の確保が欠かせないが,新たな施設の選定には各自治体に大きなコストが伴い避難所不足が深刻化している.
そこで既存の建物を候補とする方法が考えられるものの,候補は数万件規模に上るため相当な人的コストが必要となる.
現地調査を行う対象を絞り込む段階でオンラインタスク(クラウドソーシング)を使う意義は大きいが,立地条件や所有者の意向によって不適切な物件が含まれる可能性があり,無駄な作業が生じる恐れがある.
よって本研究では,次について調査した.
(RQ1)オンラインタスクによる候補地の建物情報の収集はどの程度現実的か?
(RQ2)コストが有限の中で広範囲をカバーする避難所選定を可能にするためには,どのような優先順位で候補地を選定すればよいか?
RQ1に関しては,クラウドソーシングにて実験を行った結果,オンラインタスクにおいても実用的な品質が得られることが分かった.また,RQ2に関しては可能世界の探索を活用したアルゴリズムを利用することにより,単純な手法よりも同じコストで90人多くの人を救える避難可能面積を得られることがわかった.