講演情報
[4A-02]Emotional Support Conversationにおける段階的情報融合に基づく共感的な応答文生成
*佐藤 将太1、佐々木 裕多2、白石 優旗3、張 建偉1 (1. 岩手大学大学院、2. 東京科学大学大学院、3. 筑波技術大学)
発表者区分:学生
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:なし
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:なし
キーワード:
Emotional Support Conversation、共感応答生成、応答戦略、応答文生成、対話システム
Emotional Support Conversation (ESC) は,助けを求めるユーザと支援者との対話によってユーザーが抱える精神的苦痛を軽減することを目的としたタスクである.この過程には共感的応答と戦略的支援が必要不可欠である.本研究では,人間の共感形成プロセスに着想を得た応答生成モデル CasDecNet (Cascading Fusion-Guided Decoding Network) を提案する.このESCモデルは,3段階の順序的な情報融合によって,並列的融合処理では埋没しがちな共感要素を強化する: (1) 文脈理解に基づく下地形成,(2) 認知的・情動的共感の獲得,(3) 戦略的支援行動のための戦略参照.さらに,特に共感能力の実装に関して,多次元的な外部知識の活用によってユーザーの状況を正確に推測し,補完するモジュールを導入する.ESConvデータセットを用いた実験を行い,自動評価とLLM評価の双方でベースラインモデルを上回る成果を確認した.特に,応答文の多様性と共感性の指標で顕著な改善が見られ,人間の対話に近い共感的支援を実現する可能性が示唆された.