講演情報

[5H-01]幾何証明問題における図形への書き込みを活用した数学学習者の解答戦略推定

*新谷 大起1、古川 大樹2、工藤 雅士2、山名 早人3 (1. 早稲田大学基幹理工学部、2. 早稲田大学大学院基幹理工学研究科、3. 早稲田大学理工学術院)
発表者区分:学生
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:あり

キーワード:

学習分析、e-Learning

近年,生徒1人1台の端末整備が進んでいる.これに伴い,各自が持つ端末を利活用し,学習者1人1人の理解度を正確に把握することで,個々に最適化された学習を提供するテーラーメイド教育の重要性が高まっている.学習者の理解度を把握する有効な方法として,解答戦略の推定が挙げられる.従来,証明問題を対象に,「図形上への書き込みに対して画像認識を適用し,角度記号等の記号を認識し,特徴量として抽出し,解答戦略推定を行う手法」が提案されている.しかし,記号の認識精度向上は難しく,解答戦略推定精度に影響を与えていた.本問題を解決するため,本稿では,図形上に書き込まれたペンストロークデータのみを使用して解答戦略の自動推定を行う.具体的には,一般に利用されている個々のペンストロークから得られる特徴量(始点,終点など)に加え,図形の点周囲への書き込み有無,図形各境域への書き込み密度を導入した.これにより,3種類の解法を持つ証明問題において,従来手法の解答戦略推定正解率79.2%を84.0%に向上させることに成功した.