講演情報
[5H-02]オンライン手書きデータを活用した解答自信度統合による数学スキルの認知診断
-高校数学問題を対象として-
*袁 欣綺1、古川 大樹2、工藤 雅士2、山名 早人3 (1. 早稲田大学基幹理工学部、2. 早稲田大学大学院基幹理工学研究科、3. 早稲田大学理工学術院)
発表者区分:学生
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:あり
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:あり
キーワード:
認知診断、学習分析、e-Learning、Pen-based Computing
近年,教育現場におけるICT端末の普及に伴い,タブレット端末から得られるデータを活用し,学習者の理解度や学習状況に応じて最適化された教育を提供する「テーラーメイド教育」の重要性が高まっている.テーラーメイド教育において学習者の理解度を評価する手法の一つとして,学習者の知識状態や特定スキルに対する習熟度を測定する「認知診断」がある.しかし,従来の認知診断手法は,勘やケアレスミスによる解答データなど,信頼性が低く,ノイズとなり得るデータを含む解答データでモデルを構築している.本稿では,高校レベルの数学問題への解答から得られたオンライン手書きデータを活用し,こうした信頼性が低いデータを含む解答データに対応した認知診断モデルを提案する.具体的には,67人の大学生から取得したオンライン手書きデータをもとに,各解答に対する学習者の自信度を推定するモデルを構築し,認知診断モデルに統合することで,認知診断モデルの性能向上を可能にする.モデルの評価実験では,従来の認知診断モデルと提案手法による点数の予測精度をRMSEとMAEで評価した.その結果,有意水準p < 0.05でRMSEを0.3411から0.3374に,MAEを0.2193から0.2138に有意に低減することができた.