講演情報

[5H-03]能動的学習データを用いた学生の認知的関与と学習深度の分析

*王 笑難1、大野 麻子2、孫 一3、清光 英成1 (1. 神戸大学 国際文化学研究科、2. 神戸大学 DX・情報統括本部 情報基盤センター、3. 神戸情報大学院大学 情報技術研究科)
発表者区分:学生
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:あり

キーワード:

e-Learning、プログラミング教育、深い学び、学習評価

教育機関で実施されるオンラインやオンデマンド授業は,対面授業と同等以上の教育効果が求められている.閲覧履歴や解答履歴など多様な学習データが蓄積・活用されているものの,遠隔環境における学習の深度を正確に把握することは依然として困難である.本研究では,オンデマンドプログラミング授業において,学生の能動的学習データ(教材動画上で学生が行うノート・質問・コメントなどの注釈)を活用し,学生の学びの深さを定量的に測定する手法を提案する.動画注釈によってフレーム単位で取得される学習者の思考過程を,自然言語処理技術とブルーム教育分類法を組み合わせて解析し,拡張した分類テーブルを用いて注釈テキストを自動的に認知レベルへ分類する.結果として,授業の進行に伴い学生の認知スキルが低次から高次へ移行する傾向を定量的に捉えられ,授業設計の影響も把握できることが示唆された.本研究の成果として,学習深度を評価する客観的指標を提示し,指導法や個別支援を最適化するための有用な知見を提供できた点が挙げられる.