講演情報

[6A-03]箱罠の自動制御のための鹿の警戒度推定

*酒井 歩夢1、宮森 恒1 (1. 京都産業大学 情報理工学部)
発表者区分:学生
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:あり

キーワード:

害獣捕獲、箱罠、自動制御、警戒度、行動認識、物体検出

本稿では,自然保護管理に有用な箱罠の自動制御のための鹿の警戒度推定手法を提案する.近年,鹿や猪による山林や農産物への損害が増加しており,これに対処するために箱罠やくくり罠を用いた捕獲が一般的に行われている.しかし,箱罠においては動物の警戒心が低くなるのを待ちストッパーを外し扉を閉める必要があり,特に初心者にとってはそのタイミングを見極めるのが難しいという課題がある.この作業の自動化を目指した先行研究では,カメラ映像から害獣の頭数を自動計測し,ストッパーを外すタイミングを算出していた.しかし,警戒度が高い個体においては扉が閉まる前に脱出されてしまう可能性が高いという問題があった.本研究では,箱罠のストッパーを外す適切なタイミングを算出するため,害獣の頭数ではなく,警戒度を推定する手法を提案する.これにより,警戒度が高い個体が脱出する可能性を軽減する判断が可能となり,捕獲率が向上することが期待できる.具体的には,害獣として鹿を対象とし,山林で撮影した動画に対して警戒行動をラベル付けしたデータセットを構築する.これに基づき訓練した警戒度推定器の性能を検証する.