講演情報

[6K-02]複数医療機関間の電子カルテデータを用いた統計情報付き頻出医療指示パターンの抽出と可視化

*杉谷 美和1、松尾 亮輔1、山﨑 友義1、荒木 賢二1、小口 正人1、横田 治夫2、Le Hieu Hanh3 (1. お茶の水女子大学理学部、2. 城西大学理学部数学科、3. お茶の水女子大学共創工学部)
発表者区分:学生
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:あり

キーワード:

医療・ヘルスケア、パターン・相関ルールマイニング、データ統合技術、時系列データ分析

電子カルテの普及によりカルテ情報の分析が進んでいるが、異なる医療機関の電子カルテデータは標準化されておらず、形式や表記も異なるため、単一医療機関のデータ解析が主流の従来の方法では、医療機関間の比較や特徴抽出は困難である。また、複数医療機関のデータから疾患ごとの医療指示パターンを抽出することは診療プロセスの標準化や改善に有用であるが、疾患ごとの特徴や治療方針の違いを考慮する必要があり、解析は複雑である。本論文では、データの標準化および名寄せ技術を適用して複数医療機関のデータを統合し、共通基準で解析可能な手法を提案する。提案手法では、電子カルテデータから疾患ごとの医療指示シーケンスを抽出し、日付情報を基に時間間隔を考慮した頻出医療指示シーケンスとして頻出クローズドパターンを抽出する。さらに、解析過程でシーケンスID を保持することで、頻出医療指示パターンに該当する患者の検査結果や投薬情報を参照可能とし、医療機関ごとの特徴を分析可能にする。評価実験では、人工データを用い、頻出医療指示シーケンスの分岐、統計情報、検査結果の異常値発生率の変動を可視化し、意思決定支援や診療プロセス改善の有用性を確認する。