講演情報

[7F-01]LLMを活用した仕様書とソースコード間のトレーサビリティリンク回復

*永田 出海1、メンドンサ イスラエル2、宇都宮 魁斗3、髙木 裕仁3、佐々木 啓輔4、有次 正義2 (1. 熊本大学大学院自然科学教育部、2. 熊本大学大学院先端科学研究部、3. 株式会社アキバ共和国、4. 株式会社日経統合システム)
発表者区分:学生
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:あり

キーワード:

情報検索、要求工学、自然言語処理

トレーサビリティ情報は,効果的なソフトウェアの保守と運用に不可欠である.しかし,手作業でトレーサビリティリンクを生成するのはコストがかかり,ミスが発生しやすい.多くの研究では,情報検索理論を活用し,ソースコードと仕様書の語彙的類似性を利用して,トレーサビリティリンクを自動的に回復している.しかし,これらのアプローチは,仕様書とソースコードの記述品質に大きく依存するため,トレーサビリティリンク回復が必ずしも有意な成果をもたらすとは限らない.本研究では,語彙的類似性だけでなく,仕様書とソースコード間の意味的類似性も考慮することで,トレーサビリティリンク回復の品質を向上させることを目的とする.これを実現するために,大規模言語モデル(LLM)の埋め込み機能を利用して意味情報を抽出する.実験により,意味的類似性を組み込むことで,トレーサビリティリンク回復のF1スコアが最大33%向上することを示した.