講演情報
[8L-02]CNNを用いた潮汐ストリームによるダークマターハローの密度分布推定
*金田 優香1、森 正夫1、天笠 俊之1 (1. 筑波大学)
発表者区分:学生
論文種別:ショートペーパー
インタラクティブ発表:あり
論文種別:ショートペーパー
インタラクティブ発表:あり
キーワード:
科学データ、宇宙
ダークマターは宇宙のエネルギー密度の約27%を占めるが、電磁相互作用をほぼせず観測されない物質である。速度分散の小さいコールドダークマターモデルは現在の宇宙の大規模構造を3.3e6光年以上のスケールでよく再現できる。一方で小さいスケールでは、観測から推定される矮小銀河のダークマターハロー(銀河に付随するダークマターの塊)の密度分布が中心付近で一定となる(コア型)のに対して、宇宙論的N体シミュレーションでは中心で発散する(カスプ型)という矛盾がある。ただし、大きい銀河の周りを軌道運動する衛星矮小銀河は、潮汐破壊によって大きく引き伸ばされており、既存の球対称を仮定した密度推定方法では正確な密度分布推定を行えていない可能性がある。本研究では、カスプ型とコア型の衛星矮小銀河ダークマターハローが潮汐破壊される様子をN体シミュレーションし、そのスナップショットを、カスプ型とコア型に分類するモデルをCNNを用いて構築する。これよって、潮汐破壊される前の矮小銀河に付随するダークマターハローの密度分布推定を方法を提案する。将来展望として、モデルをシミュレーション実際の観測データに適応することを目指している。