講演情報

[9C-01]anagodb: 挑戦的なデータベースコア技術研究のための実践的コードベース

*早水 悠登1、川道 亮治2、小沢 健史2、合田 和生2 (1. 株式会社ジャスティス・テクノロジーズ、2. 東京大学)
発表者区分:一般
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:あり

キーワード:

データベースコア技術、研究用コードベース、関係データベースシステム、OLAP、問合せ処理

データベースコア技術の研究を行う上では,新たな技術を実装し評価するための土台として,所謂トイプログラムの域を脱したコードベースが必要不可欠である.OSSのデータベースシステムがこの目的でしばしば用いられるが,既存設計の制約が障害となり,挑戦的な技術の実装・評価には必ずしも最適ではない場合も多い.
本論文では,データベースコア技術研究のためのコードベースとして東京大学が開発するanagodbを紹介する.anagodbは分析系クエリの高速処理に特化した関係データベースシステムであり,東京大学にて培われた高速クエリ処理技法の知見に基づきフロムスクラッチで開発されている.コード規模が最小限となるよう機能性は絞り込みつつ,TPC-HベンチマークをSQLクエリのまま実行できる程度の実用性を持つ.クエリオペレータ等をプラガブルに拡張可能な枠組みにより新規技術の実装を容易にするとともに,高速バルクローダにより大規模データを用いた実験を機動的に繰り返すことが可能である.本論文では,anagodbの設計と実装,およびその性能評価を示す.