講演情報

[9D-04]有方向ラベルウォークを活用したグラフ深層学習の精度向上

*高橋 拓豊1、中山 樹1、三谷 貴宏1、菊地 良将1、鬼塚 真1 (1. 大阪大学大学院情報科学研究科)
発表者区分:学生
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:あり

キーワード:

グラフデータ、グラフ深層学習、ノード分類

グラフ深層学習 (GNN) におけるノード分類は,様々な分野のデータ分析において利用可能であり,多くの応用がなされている.特に多くの GNN では,同じクラスラベルを持つノード同士が接続されやすいという特徴を持つホモフィリーなグラフで高精度なノード分類を達成している.一方で,異なるクラスラベルを持つノード同士が接続されやすいという特徴を持つヘテロフィリーなグラフに対する GNN も研究されているが,依然として不得意としている事が多い.この問題に対して,従来の GNN ではノード同士が接続されることで生じるクラスラベル間の構造情報を活用できない設計になっているという点に着眼し,特に有向グラフにおいて,双方向に隣接ノード間のクラスラベル分布の偏りがあることを活用する新たな手法を提案する.具体的には,隣接ノード間のクラスラベル分布の偏りを複数ノードにまたがり捉えるため,有向エッジに即したウォークをグラフから抽出し,クラスラベルに注目して活用することでノード分類の精度向上を目指す.実験の結果,そのウォークから埋込みの作成を行い,活用することでヘテロフィリーな有向グラフに対しノード分類の精度向上を達成した.