講演情報
[FB2-01]風力発電の環境アセスメントにレーダ解析を活かすことを目指して
*関島 恒夫1、河口 洋一2、會田 義昭3、鎌田 泰斗1、島田 泰夫4、益子 理5 (1. 新潟大学農学部農学科、2. 新潟大学佐渡自然共生科学センター、3. 環境省大臣官房環境影響評価課、4. (一財)日本気象協会、5. (株)イデア)
脱原発の機運の高まりや地球温暖化防止対策としてのCO2削減の推進により、わが国では再生可能エネルギーの導入が大幅に増加している。その中でも風力発電については、東北地方から北海道にかけてのエリアが世界有数の良好な風況が見込めるという予測から、東日本を中心に多数の風力発電事業が計画・実施されてきた。さらに、海に囲まれたわが国では洋上風力の適地が多く、陸上の5倍にも及ぶ発電量が見込めるとの試算から、今後は立地制約がある陸上風力から洋上風力の時代に突入すると予想されている。一方、風力発電の推進とともに、周辺環境に及ぼす風車の影響が顕在化しており、特に、鳥類・コウモリ類などの飛翔動物については、風車ブレードに衝突する事故が世界的に多発している。陸上風力による鳥類への影響予測は、これまで目視観察による鳥衝突確率の算出により推計されてきたが、より広域かつ一様な環境の洋上では、陸上風力アセスで実施されてきた手法を適用することは難しい。本集会では、洋上風力の環境影響を評価する手法として、広範囲にわたり物標を補足できるレーダ手法に着目し、その課題と将来性について、国、民間企業、研究者の取り組みを紹介する。