講演情報

[FC2-01]遺伝子解析で解き明かす流域生態系のつながり

*岡本 聖矢1、中島 颯大2、平野 佑奈3、竹中 將起4 (1. 土木研究所 自然共生研究センター、2. 北海道立総合研究機構 林業試験場、3. 国立環境研究所 気候変動適応センター、4. 筑波大学 生命環境系)
流域は上流から下流にかけた河川流程を軸に、水田、湧水や氾濫原湿地など多様な環境を包含している。こうした環境に適応した生物種や、これらの環境を生活史の中で行き来し、利用する生物種により、流域の生物多様性は維持されている。一方で淡水域に生息する生物種は、気候変動や人工構造物、土地利用変化、河川改修による影響を受けている。流域生態系の保全には質の高い生息地やそれらの連結性を把握することは重要な課題であるが、これらの評価に生物種の遺伝子解析で得られる遺伝構造の情報は有用である。本集会では、遺伝子解析による評価手法について触れた後、河川を基軸とした様々な環境に生息する生物種の遺伝構造をもとに生息地の連結性を評価した事例を発表する。また、環境DNA分析も含めた近接分野の動向も踏まえ、今後の展望についての話題も提供する。集会参加者とも意見交換し、流域生態系における遺伝構造と生息地の連結性の評価に関する理解を深めたい。