自由集会
2025年12月11日(木) 15時30分 〜 17時30分 メインホール
自由集会1:
環境DNA:現場実装の最前線
企画者:柞磨佑紀(国研 土木研究所・㈱建設環境研究所)、真木伸隆(パシフィックコンサルタンツ㈱)、澤樹征司(㈱建設技術研究所)郡司未佳(日本工営㈱)、村岡敬子(国研 土木研究所)
近年環境DNA技術は、水域生態系のモニタリングや生物多様性の把握において急速に普及し、各地でその社会実装が進められています。
国土交通省では河川環境の整備と保全を適切に推進するため、河川水辺の国勢調査(以降水国調査)を通じた自然環境に関する基礎情報の収集を30年以上継続して行ってきました。この水国調査は、令和8年度から環境DNA調査が新たに導入されることとなり、河川環境のより詳細な把握が期待されます。本自由集会では、全国一斉に実施する水国環境DNA調査とはどのような調査なのか、どのようなデータが蓄積されていくのか、データ活用の方向性を紹介するとともに、河川・陸域を含む多様なフィールドにおけるeDNA技術の活用事例を通じて、産官学が連携した環境DNA実装の最前線をお伝えします。
総合司会:真木伸隆(パシフィックコンサルタンツ株式会社)
◎講演内容(予定)
- 趣旨説明
柞磨佑紀1,2)
1)国立研究開発法人土木研究所、 2)株式会社建設環境研究所 - 河川水辺の国勢調査への環境DNA調査の導入
鶴田舞1)
1) 国土交通省 - 水国調査のための環境DNA調査法
村岡敬子1)
1) 国立研究開発法人土木研究所 - 水国調査(河川) 採水地点選定時および採水時における課題
梅本章宏1)
1) 復建調査設計株式会社 - 環境DNAアーカイブの収集と活用
田中孝幸1)
1) 国立研究開発法人土木研究所 - 環境DNA データを用いた河川全域での魚類のポテンシャルマップ作成
江口健斗1)、宮脇成生1)、横山良太1)、菅野一輝1) 、藤澤貴弘1)、高木真也1)、中尾遼平2)、赤松良久2)、乾隆帝3)、鬼倉徳雄4)
1) 株式会社建設環境研究所、 2) 山口大学、 3) 福岡工業大学、 4) 九州大学 - 環境DNA定量メタバーコーディング分析による検出魚類相の周年変化
渡部健1)、野村七重1)、地引汰一1)、大原和明2) 、山中彩希帆2)、渡邊菜月2)
1) パシフィックコンサルタンツ株式会社、 2) 中部地方整備局 豊橋河川事務所 - 陸域サンプルの環境DNA分析による陸上脊椎動物相把握の取り組み
堀裕和1)、大須賀麻希1)、澤樹征司1)、棟方有桂2) 、山崎智美2)
1) 株式会社建設技術研究所、 2) 株式会社環境総合リサーチ - 総合討論
進行:澤樹征司(㈱ 建設技術研究所)
コメンテーター:源利文(神戸大学)
2025年12月12日(金) 14時15分 〜 16時15分 メインホール
自由集会2:
環境DNAの実用化を阻む大きな課題「偽陰性」
企画者:長谷部勇太(神奈川県環境科学センター)、釣健司(㈱建設環境研究所)、棟方有桂(㈱環境総合リサーチ)、竹中將起(筑波大学)、宇田川湧人(東急建設㈱)
環境DNA技術は急速に発展し、生物多様性保全への関心の高まりとともに実用化が進んでいる。一方で、精度を支える基礎研究やDNAデータベースの整備が追いついておらず、調査の信頼性を損なう要因となっている。中でも、生息しているはずの生物のDNAが検出されない「偽陰性」は、結果の解釈に深刻な影響を及ぼす可能性があり、実用化に向けた大きな課題である。本自由集会では、現場で報告されている偽陰性の事例を紹介し、より信頼性の高い環境DNA調査のあり方について議論を行いたい。
司会:長谷部勇太(神奈川県環境科学センター)
◎講演内容(予定)
- 環境 DNAメタバーコーディングにおけるPCR阻害対策の手法と偽陰性の低減
釣健司1,2)、村岡敬子2)、服部啓太2)、田中孝幸2)
1) 株式会社建設環境研究所、 2) 国立研究開発法人土木研究所 - 2nd PCR 酵素の選択が網羅的解析結果を左右した事例紹介
棟方有桂1)、岡田衣里1)、山崎智美1)、水野貴文1)、長谷部勇太2)
1) 株式会社環境総合リサーチ、 2) 神奈川県環境科学センター - DNAメタバーコーディング解析における系統学的解析を用いた分子同定の提案
竹中將起1)
1) 筑波大学・生命環境系 - 偽陰性と向き合う:実務上の論点に関する利用者視点の整理
宇田川湧人1)
1) 東急建設株式会社 - 発表全体へのコメント
村岡敬子1)
1) 国立研究開発法人土木研究所
