講演情報
[T1-O-11]3次元断層形状が地震破壊伝播に果たす役割と形状モデル化
*安藤 亮輔1 (1. 東京大学大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻)
【ハイライト講演】 本講演は,断層の3次元形状が地震破壊伝播に果たす役割に関する最新の研究である.近年の大地震の解析や動的破壊シミュレーションにより,断層の非平面性がセグメント連動や破壊停止を強く制御することが明らかになりつつある.本講演では,地下断層の3次元形状の重要性と,将来の断層モデル構築に向けた課題について紹介する.※ハイライト講演とは...
キーワード:
活断層、地震、破壊伝播、断層発達
断層形状と地震発生との関係は古くて新しい問題である.最近の物理シミュレーションと大地震の観測データを用いた系統的な研究の進展により,断層形状の非平面性が,地震の動的破壊過程を強く支配していることが確認されるようになってきた.このことは,1995年兵庫県南部地震を契機に進んだ全国の活断層の理解と情報整備を,地表での2次元のものから,地下での断層の3次元的非平面性を考慮したものに深化させることの重要性を示している.2024年能登半島地震など多数の事例により,セグメント連動型地震の発生には,断層セグメント境界の地下深部での実態が重要であることが力学的な考察により示されている.一方で,地下深部の断層形状をどのようにモデル化するのがよいかは,直接的に形状を拘束する観測データの不足に加えて,断層セグメント境界における3次元的幾何学的形態の普遍的特徴について,地質学的な理解が不足しているため,ほとんど議論がされていない.現在構築が進む日本国内の主要活断層帯を網羅した「コミュニティ断層モデル(ver. 1)」の取り組み(安藤, 2026, 日本地震学会モノグラフ(印刷中))においても,この点のモデル化方法が将来的に解決の必要な課題として示された.今後は,構造地質学的な断層形状形成過程の理解を深化させ,その知見を反映したモデル化手法を確立することが重要である.本発表では,最近の動的破壊シミュレーションによる大地震の再現を示し,断層形状モデルにおける課題を述べる.
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