講演情報
[G-P-50]房総半島南部の沖積層下部に挟在する火山灰
*吉田 剛1、小島 隆宏4、潮﨑 翔一2、千葉 友樹3、風岡 修4 (1. 千葉県環境研究センター、2. 千葉県防災危機管理部、3. 千葉県立中央博物館、4. 元千葉県環境研究センター)
キーワード:
房総半島、沖積層、火山灰
房総半島南部の低地地域において,軟弱地盤の構造を把握するため地質情報の整備が進められている.その一環として,鴨川・館山・木更津の各地域において新たにオールコアボーリング調査を実施し,各地域の沖積層の層序と分布形態の解析を進めている.本発表では,これらの地域の沖積層において対比可能な火山灰層を見出したため,その分析結果を示す.鴨川・館山・木更津の3地域のコアから沖積層下部に挟在するガラス質な火山灰について,ガラスの屈折率,主成分化学組成の測定を行い,また,火山灰層直下にある泥炭層の放射性炭素年代測定を実施した.
3地域の中から鴨川コア[調査地点:鴨川潮騒公園(G.L.標高+4.65 m)]の層相記載および分析値について述べる. 【層相記載】鴨川地域の基盤と沖積層の境界は深度54.45 mであった.沖積層の構成は下位から,深度54.45 – 46.77 mが砂礫層,深度46.77 – 34.38 mがシルト層,深度34.38 – 33.00 mが砂礫層,深度33.00 – 9.86 mがシルト質極細粒層,深度9.86 – 3.80 mが砂礫層,深度3.80 – 0 mは砂礫による盛土層を主体としている.鴨川コアの火山灰層は深度36.76 – 36.62 m(36.75 – 36.66 mは欠落; 層厚 > 4.6 cm)に挟在している.この火山灰層は下部がシルト-極細粒砂サイズ,中部が粗粒砂サイズ,上部がシルト-極細粒砂サイズの軽石および火山ガラスの三層で構成される. 【屈折率】火山灰下部層の火山ガラスの屈折率は1.496 – 1.497であった. 【組成】株式会社古澤地質に依頼しガラスの主成分化学組成を測定した結果,平均値はSiO2: 78.35%, TiO2: 0.09%, Al2O3: 12.52%, FeO: 0.67%, MnO: 0.06%, MgO: 0.09%, CaO: 0.62%, Na2O: 3.90%, K2O: 3.69%(計100%)であった。館山コアの火山灰(層厚 5.0 cm)及び木更津コアの火山灰(層厚 1.0 cm)の組成も鴨川コアの結果と同値であった. 【年代】放射性炭素年代測定は株式会社加速器分析研究所に依頼した.火山灰直下の泥炭の年代は,鴨川コアでは16413calBP - 16055calBP (95.4%, 2σ),館山コアでは13667calBP - 13498calBP (75.9%, 2σ),木更津コアでは13490calBP - 13320calBP (95.4%, 2σ)を示した.
本調査地の沖積層下部の火山灰層は,屈折率・主成分化学組成および年代結果の近い伊豆諸島新島宮塚山Nj-MtGテフラ群に対比される可能性がある(小林ほか,2020).
引用・参考文献
小林淳ほか,2020,伊豆諸島、新島火山宮塚山イベント以降のテフラ層序と噴火史.火山,65, 21-40.
3地域の中から鴨川コア[調査地点:鴨川潮騒公園(G.L.標高+4.65 m)]の層相記載および分析値について述べる. 【層相記載】鴨川地域の基盤と沖積層の境界は深度54.45 mであった.沖積層の構成は下位から,深度54.45 – 46.77 mが砂礫層,深度46.77 – 34.38 mがシルト層,深度34.38 – 33.00 mが砂礫層,深度33.00 – 9.86 mがシルト質極細粒層,深度9.86 – 3.80 mが砂礫層,深度3.80 – 0 mは砂礫による盛土層を主体としている.鴨川コアの火山灰層は深度36.76 – 36.62 m(36.75 – 36.66 mは欠落; 層厚 > 4.6 cm)に挟在している.この火山灰層は下部がシルト-極細粒砂サイズ,中部が粗粒砂サイズ,上部がシルト-極細粒砂サイズの軽石および火山ガラスの三層で構成される. 【屈折率】火山灰下部層の火山ガラスの屈折率は1.496 – 1.497であった. 【組成】株式会社古澤地質に依頼しガラスの主成分化学組成を測定した結果,平均値はSiO2: 78.35%, TiO2: 0.09%, Al2O3: 12.52%, FeO: 0.67%, MnO: 0.06%, MgO: 0.09%, CaO: 0.62%, Na2O: 3.90%, K2O: 3.69%(計100%)であった。館山コアの火山灰(層厚 5.0 cm)及び木更津コアの火山灰(層厚 1.0 cm)の組成も鴨川コアの結果と同値であった. 【年代】放射性炭素年代測定は株式会社加速器分析研究所に依頼した.火山灰直下の泥炭の年代は,鴨川コアでは16413calBP - 16055calBP (95.4%, 2σ),館山コアでは13667calBP - 13498calBP (75.9%, 2σ),木更津コアでは13490calBP - 13320calBP (95.4%, 2σ)を示した.
本調査地の沖積層下部の火山灰層は,屈折率・主成分化学組成および年代結果の近い伊豆諸島新島宮塚山Nj-MtGテフラ群に対比される可能性がある(小林ほか,2020).
引用・参考文献
小林淳ほか,2020,伊豆諸島、新島火山宮塚山イベント以降のテフラ層序と噴火史.火山,65, 21-40.
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