講演情報
[T1-O-4]飯豊山マイロナイト帯の運動像と形成場
*小林 健太1、小野澤 伶奈2、岡田 尚大3 (1. 新潟大学、2. 筑波大学、3. 日鉄鉱コンサルタント)
キーワード:
マイロナイト、飯豊山、日本国、山形県、新潟県
北部フォッサマグナ地域に分布する活断層は,主に北北東−南南西(南北〜北東-南西)に延びる.これらは日本海拡大期に正断層として発生し,後に逆断層へ反転したと考えられてきた.この方向の断層は周辺地域の深成岩や付加体中にも発達する.断層岩を伴うものもあるが,それらのほぼ全てがカタクレーサイトや断層ガウジであり,脆性領域での変形のみを記録している.これら断層の起源を知ることは,活断層の発達過程を理解する上でも重要である.
新潟/山形県境の飯豊山には,北東-南西に延びるマイロナイト帯の存在が知られていた.小野澤・小林(2026)は,このマイロナイト帯について野外調査と定方位試料の小構造解析を行い,主に右横ずれ運動を示すことを明らかにした.主に花崗閃緑岩を原岩とするマイロナイトの面構造は北東-南西走向であり,北西に低〜中角で傾斜する.再結晶石英粒について,長軸とC面がなす角度およびアスペクト比をXZ薄片を用いて計測した.R-Φプロットから,上盤が北東に移動する右横ずれ運動が復元された.石英プールの褶曲も右横ずれを示す.一方,斜長石の長軸やシアバンドの配列からは,上盤が南方に移動する左横ずれ運動が認められた.また,マイロナイトの形成場を理解するため,顕微フーリエ変換赤外分光法(μ-FT-IR)を用いた石英中の含水量の測定を行った.同時に,新潟/山形県境でNW–SE方向に延びている日本国マイロナイト帯についても測定した(Kobayashi & Okada, 2026).日本国に比べ,飯豊山の方がやや多く水を含む結果となった.
ジルコンU-Pb年代と黒雲母K-Ar年代から,日本国マイロナイトの原岩は約65 Ma,マイロナイト化は約55~60 Maに生じたと考えられた(Takahashi et al., 2012).一方,飯豊山マイロナイトの主な原岩は黒雲母K-Ar年代で約51〜57Maを示し(高橋ほか,1996),閉鎖温度と変形領域の関係から,マイロナイト化もほぼ同時期と考えられる.棚倉構造線は足尾帯/阿武隈帯境界をなし,それに沿う棚倉破砕帯の北方延長である左横ずれの日本国マイロナイト帯と,主に右横ずれを示す飯豊山マイロナイト帯は,共に運動していた時期がある.大規模な延性剪断帯の周囲には,それと直交〜斜交する剪断帯も同時に形成され,その後も変形を継続していた可能性が高い.
文献:
Kobayashi, K. & Okada, N.,2026,JpGU-AGU演旨.
小野澤・小林,2026,JpGU-AGU演旨.
Takahashi, Y. et al., 2012, Journal of Asian Earth Sciences.
高橋ほか,1996,5万分の1地質図幅「飯豊山」.
新潟/山形県境の飯豊山には,北東-南西に延びるマイロナイト帯の存在が知られていた.小野澤・小林(2026)は,このマイロナイト帯について野外調査と定方位試料の小構造解析を行い,主に右横ずれ運動を示すことを明らかにした.主に花崗閃緑岩を原岩とするマイロナイトの面構造は北東-南西走向であり,北西に低〜中角で傾斜する.再結晶石英粒について,長軸とC面がなす角度およびアスペクト比をXZ薄片を用いて計測した.R-Φプロットから,上盤が北東に移動する右横ずれ運動が復元された.石英プールの褶曲も右横ずれを示す.一方,斜長石の長軸やシアバンドの配列からは,上盤が南方に移動する左横ずれ運動が認められた.また,マイロナイトの形成場を理解するため,顕微フーリエ変換赤外分光法(μ-FT-IR)を用いた石英中の含水量の測定を行った.同時に,新潟/山形県境でNW–SE方向に延びている日本国マイロナイト帯についても測定した(Kobayashi & Okada, 2026).日本国に比べ,飯豊山の方がやや多く水を含む結果となった.
ジルコンU-Pb年代と黒雲母K-Ar年代から,日本国マイロナイトの原岩は約65 Ma,マイロナイト化は約55~60 Maに生じたと考えられた(Takahashi et al., 2012).一方,飯豊山マイロナイトの主な原岩は黒雲母K-Ar年代で約51〜57Maを示し(高橋ほか,1996),閉鎖温度と変形領域の関係から,マイロナイト化もほぼ同時期と考えられる.棚倉構造線は足尾帯/阿武隈帯境界をなし,それに沿う棚倉破砕帯の北方延長である左横ずれの日本国マイロナイト帯と,主に右横ずれを示す飯豊山マイロナイト帯は,共に運動していた時期がある.大規模な延性剪断帯の周囲には,それと直交〜斜交する剪断帯も同時に形成され,その後も変形を継続していた可能性が高い.
文献:
Kobayashi, K. & Okada, N.,2026,JpGU-AGU演旨.
小野澤・小林,2026,JpGU-AGU演旨.
Takahashi, Y. et al., 2012, Journal of Asian Earth Sciences.
高橋ほか,1996,5万分の1地質図幅「飯豊山」.
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン
