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[T1-O-7]秩父撓曲盆地が押し上げた上武山地、秩父山地、奥武蔵山地の隆起順序とエビデンス

*内藤 定芳1 (1. 秩父帯大血川ビジターセンター)
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キーワード:

秩父帯、エドムント・ナウマン、伊豆・小笠原弧、中央構造線、プレートテクトニクス

 1 第131年学術大会でポスター発表をして
2024山形大学でポスター発表を行った。タイトルは「秩父山地は撓曲盆地、逆断層、
活撓曲の複合地殻変動帯である」だった。
内容は、(1) 秩父地域の現状認識、問題点の所在と疑問(2) 秩父盆地は南方から移動
してきた(3) 秩父山地を隆起させた秩父盆地(4) 山中地溝帯は秩父盆地の時計方向回
転で無数の断層が生じて陥没したであった。
山中地溝帯については、以前埼玉県内でも詳しい現地調査が行われて報告されている。
(例えば埼玉県地質図解説書1999)。ところがこの詳細な調査結果は現代で共有されてい
ず近くの県外の博物館では単なる凹みと紹介していた。私は秩父盆地が47度回転した時
にその北西端で南東から北西に地層を突き上げたと説明した。山中地溝帯は小鹿野町から
60㎞続いていると説明されるが、南北方向に無数の断層が入っている。南北方向の断層
なら東西方向の応力が働かなければ現象が生じない。
今回の発表でもこの点を全国の研究者にご意見を頂きたいと思っている。
2 2026金沢大会で提案したいこと
(1) 日本海が拡大した後、西南日本には中央構造線がすでに存在しており、現在の三浦半
島付近に秩父帯の中心地である「秩父盆地」は既に存在していたと考える。
(2) (高橋雅紀、2017)がGSJ地質ニュースの第5図では、三波川帯、秩父帯、四万十帯の
模式図が提示されている。その中心に秩父盆地らしい白域があって興味深い。ただこの
白域は新第三紀に形成された物であって日本海拡大前とは言い難い。秩父盆地だけが既
に形成されていると考えるより、地域一帯が新第三紀では海中であり、中古生層の基盤
岩の上に、新第三紀層が堆積したと考える。
(3) 伊豆・小笠原弧の北上に従って、現在の秩父盆地周辺の団塊も北上した。その北部に
は中央構造線が既に存在していて、徐々に押し上げながら北上することになる。盆地そ
のものも隆起を続けることになるが、現在の秩父盆地の場所まで海中だった。
(4) 300万年前四国海盆の拡大が終わり、秩父盆地周辺の団塊も現在の赤石山脈、更に櫛
形山山塊、御坂山山塊、丹沢山塊も北西に移動した。
(5) 四国海盆の拡大中には秩父盆地の北部には中央構造線がその北上を妨げる方向に力が
働き、その結果南方からの応力は上武山地を形成する方向に働いた。
(6) 300万年前の東西短縮の結果秩父盆地は47度時計方向に回転した。その後秩父盆地は
東南東方向からの応力で西方にある秩父山地を押し上げることになる。
(7) 大平断層で隆起した秩父山地は4,000メートル程度と推測する。奥秩父の山地を縦走
すると、1,700mから2,300mの高山に石灰岩の岩体があり、また鍾乳洞さえ存在してい
る。梓白岩、武信白岩など石灰岩の岩体は幾らでも存在する。日本百名山の両神山の山
頂付近はチャートであり、北西~南東へ赤色チャートが広域に連続している。
(8) 19世紀末にエドムント・ナウマンが発見したフォッサマグナを埋めているのは、秩父
盆地を中心にした秩父山地全体であることを再確認する。
3 「東西日本の地質学的境界【第十話】待ち構えていた難問」で高橋雅紀が述べたこと
GSJ地質ニュースNO.10で高橋雅紀が述べたこと。10回に渡って解説した氏は、「19
世紀末にナウマンが発見・命名したフォッサマグナを私なりに整理し、分析して位置づ
けた」としている。さらに、「この問題が日本の地質学的大問題であることを、多くの
地質研究者に知ってもらいたい期待が半分、そして、その後の10年の進展を将来語る
ために、どうしてもどうしても通らなければならないステップであると判断したからで
ある」と述べる。
「すなわちたとえば、秩父の第三紀層は特に贄川のそばで強く褶曲していて、それに
よってこの地層の堆積の終了後間もなく造山運動が起こった。」(山下昇訳1996)ナウマ
ン博士が150年前に語ったこのことが、まだ解決されていない。
【引用文献】産総研(2018)南部フォッサマグナ(伊豆衝突帯)の歴史を凝縮した身延地域の
地質図を刊行、岡野裕一(2018)地球科学72巻143-152、兵頭浩(2008)秩父盆地新第三系の
地質と古地磁気、静岡大学学術リポジトリ、高橋雅紀(1992)中部日本の新第三紀テクト
ニクスにおける中新世秩父盆地の地質学域位置、埼玉県立自然史博物館研究報告第10号、
29-45、高橋雅紀(2017)GSJ地質ニュースVol.6№10(2017年10月)、埼玉県地質図(山地・
丘陵地)解説書(平成11年3月)

図 秩父市贄川の新第三紀層砂岩泥岩互層60°東に傾く

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