一般公開企画

下記のシンポジウムを一般公開いたします。

一般公開企画につきましては,参加費を支払うことなく,参加章なしで入場できます。直接開催会場へお越しください。

公開企画以外の会場への立ち入りは、ご遠慮いただいております。

 

[IS-003]
震災を越えてつながる心
国際的視点から災害と心理学を考える

企画代表者日本心理学会国際委員会
話題提供者Çukur Cem Şafak(Ankara Yıldırım Beyazıt University)、宮前 良平(福山市立大学)
指定討論者大門 大朗(福知山公立大学)
司会者錢 琨(九州大学)

日時

2025年9月5日(金)  13:40〜15:20

会場

第1会場(押川記念ホール)

概要

本シンポジウムでは、「震災×国際」というテーマのもと、災害と心理学の関係を国際的視点から考察する。開催地である仙台は、2011年の東日本大震災で甚大な被害を受け、心理的支援やトラウマケアの実践と研究が積み重ねられてきた地域である。本シンポジウムでは、震災を経験した地域の心理学的取り組みが、国や文化の違いを超えてどのように共有・連携できるかを探ることを目的とする。登壇者には、2023年のトルコ・シリア地震で被災地支援に関わったトルコ心理学会の研究者を迎え、東日本大震災との共通点や相違点、支援の実際と課題について報告をいただく。また、日本側からも災害時の心理支援やコミュニティ再建に関する研究・実践の成果を紹介する。多様な文化・制度的背景をもつ地域の知見を共有することで、災害に対する国際的な心理支援の在り方を再考し、今後の災害発生時に向けた国際的連携の可能性を議論する。

 

[IS-008]
心理統計教育の標準カリキュラム・シラバスはいかにあるべきか(4)
「ベシスタ」検証:到達度確認テストの評価と実践報告

企画代表者日本心理学会教育研究委員会心理統計法標準カリキュラム作成小委員会
企画者三浦 麻子(大阪大学)、小杉 考司(専修大学)、高橋 康介(立命館大学)、清水 裕士(関西学院大学)、森 知晴(立命館大学)、山田 剛史(横浜市立大学)、森 津太子(放送大学)
話題提供者小杉 考司(専修大学)、高橋 康介(立命館大学)、岩谷 舟真(関西学院大学)
司会者三浦 麻子(大阪大学)

日時

2025年9月5日(金) 15:50〜17:30

会場

第4会場(L403)

概要

本委員会は,心理統計という研究の「道具」について十全の教授を行うために研究者あるいは教育者として何を学ぶべきか,その道筋を具体的に示すことを目標として発足しました。これまでに,多くの学部で必修科目となるだろう基礎統計科目「Basic Statistics(ベシスタ)」のシラバス案と,それに基づく到達度確認テスト環境を構築し,実際にいくつかの大学で活用していただいています。昨年度のシンポジウムでいただいた「難易度を判断できる客観的なデータが乏しい」「難易度が高い問題にやや偏っているように思われる」というご指摘に対処するために,なるべく容易な問題を増やした上で,初級統計を現に学んでいる方々に作成した問題を解いていただいたデータに基づくブラッシュアップを図っています。

まず,この到達度確認テストについて,委員の高橋と小杉から報告させていただきます。我々はコマシラバスで示された各キーワードの理解状況を確認するための簡易テストを開発しました。このテストは,学生の学力評価を目的としたものではなく,あくまでも学習内容の理解度を確認するためのツールとして設計されています。放送大学をはじめとする協力校の学生の皆様にご協力いただき,ドリル形式での試行を実施しました。収集された回答データをもとに,項目反応理論(IRT)を用いて問題の困難度,識別力,テスト情報関数等の分析を行いました。これらの統計的指標とともに,テスト資料を学会参加者の皆様と共有させていただきます。

そして,授業実践例を,関西学院大学社会学部の岩谷舟真氏からご報告いただきます。岩谷氏が所属する関西学院大学社会学部には,(1)数学が入試科目として必ずしも求められない,(2)専攻分野の決定は入学後に行う(第2希望として心理学を選択し,思いがけず心理統計に向き合うことになる学生もいる)という特徴があります。多様な学生に最後まで心理統計に取り組んでもらうための工夫などについてうかがいます。

心理統計あるいはその教育に現に携わっていようがいまいが,ああこれは「じぶんごと」だな,と捉えてくださった方々のご参加を心よりお待ちしております。是非積極的にご意見・ご議論いただければ幸いです。
小委員会サイト:https://sites.google.com/view/jpa-psychometrics/

 

[IS-015]
[新刊連動講座] 反応時間――理論、実践、応用

企画代表者株式会社勁草書房
話題提供者綾部 早穂(筑波大学)、井関 龍太(大正大学)、熊田 孝恒(京都大学)
司会者永田 悠一(株式会社勁草書房)

日時

2025年9月6日(土) 9:20〜11:00

会場

第4会場(L403)

概要

反応時間は実験心理学における最もよく用いられる従属変数の一つである。しかしながら、閾値や正答率などの従属変数に比べて、結果の解析や解釈、背景にある理論などがわかりにくく、初学者や他分野の研究者には扱うのが多少、難しい側面もある。特に、データ処理方法が多様で、どのような方法を用いたら良いのかわからない、個人差や個人内変動が大きいので、精度の良い反応時間を計測するために何に留意をしたらよいのかわからないといった話もよく聞かれる。
2019年に刊行した『心理学,認知・行動科学のための反応時間ハンドブック』は、こうした声に応えるため、反応時間に焦点をあてた書籍として企画した。幸い好評を博しているようであるが、その後の6年間で得られた新しい知見や方法論のアップデートに対応するために、このたび第2版として改訂を行った。初版では十分にカバーしきれなかった内容の充実や更新も図り、反応時間を用いた研究に携わる研究者・学生により役立つものとなっているであろう。
この講座では、そもそも反応時間とは、というような基礎的な理論から、研究の歴史、データ収集、解析方法、反応時間に影響する諸特性、また、実際に反応時間を用いた代表的な実験パラダイムなどを解説し、反応時間にまつわる疑問やとっつきにくさを解消し、また、反応時間を用いた研究を理解し、自らユーザーとなって実践するための基礎と応用を解説する。初学者はもとより、反応時間ユーザーの皆さんにも、反応時間の理解を深める機会になることを願い、本講演を企画した。

 

[IS-021]
臨床神経心理の世界2
臨床現場で活かす神経心理学の知識

企画代表者日本心理学教育研究委員会講演・出版等企画小委員会
企画者岡村 陽子(専修大学人間科学部)
話題提供者越智 隆太(中央大学大学院文学研究科心理学専攻)、後藤 貴浩(IMSグループ西仙台病院)、松井 健太(川崎市中部リハビリテーションセンター)
指定討論者冨岡(藤森) 秀子(横浜市立脳卒中・神経脊椎センター)

日時

2025年9月7日(日) 9:20〜11:00

会場

第1会場(押川記念ホール)

概要

神経心理学は、研究のためだけの学問ではない。脳に損傷のある高次脳機能障害者はもちろんのこと、小児から高齢者までの幅広い対象者への神経心理学的アセスメントや認知リハビリテーション、心理相談において必須の知識である。本シンポジウムでは、評価から支援までの様々な臨床現場において活躍している3人のシンポジストに話題提供をお願いし、討論を行う。
 中央大学大学院文学研究科心理学専攻に在学している越智隆太先生には、「脳腫瘍患者を対象とした覚醒下手術における神経心理学の活用」として、覚醒下手術時の神経心理学の活用についてのご経験を踏まえて話題を提供していただく。また、IMSグループ西仙台病院後で心理職として働かれている藤貴浩先生には、ご自身の多様な医療領域で活躍されたご経験から、「多様な医療領域で使える臨床神経心理学」という精神科も含めた医療領域における神経心理学の活用についての話題を提供いただく。最後に川崎市中部リハビリテーションセンターの心理職である松井健太先生には、「地域リハビリテーションにおける神経心理学を活用した支援」として、地域リハビリテーションという福祉の現場で、神経心理学を活用しし生活を見据えた当事者支援の実際について話題を提供いただく。さらに、それぞれの話題提供を踏まえて、昨年度話題を提供していただいた横浜市立脳卒中・神経脊椎センターの心理職である冨岡秀子先生に指定討論者として登壇いただき、臨床現場で活かす神経心理学の知識について討論を行う予定である。
 神経心理学に興味があるが臨床現場でどのように使われているのかイメージがわかないという人、高次脳機能障害や認知症、神経発達症への対応のヒントを得たいという人、神経心理学を勉強している、あるいは指導している人に、ぜひ参加してもらい、神経心理学の現場での活用について一緒に考えていただきたい。

 

[IS-026]
学部生・高校生プレゼンバトル

企画代表者工藤 大介(東北学院大学,日本心理学会若手の会)
企画者工藤 大介(東北学院大学,日本心理学会若手の会)、瀧川 諒子(北陸先端科学技術大学院大学,日本心理学会若手の会)、川上 澄香(浜松医科大学,日本心理学会若手の会)
話題提供者工藤 大介(東北学院大学,日本心理学会若手の会)、瀧川 諒子(北陸先端科学技術大学院大学,日本心理学会若手の会)、川上 澄香(浜松医科大学,日本心理学会若手の会)
司会者工藤 大介(東北学院大学,日本心理学会若手の会)、瀧川 諒子(北陸先端科学技術大学院大学,日本心理学会若手の会)、川上 澄香(浜松医科大学,日本心理学会若手の会)

日時

2025年9月7日(日) 11:30〜13:10

会場

第4会場(L403)

概要

本企画は,その名の通り学部生と高校生による研究紹介をまとめ,発表する企画です。ゼミ研究や卒論の中間発表をはじめ,これから取り組もうとしている研究計画など,心理学に関係する幅広いテーマで10分間のプレゼンテーションと質疑応答をしていただきます。各発表は審査の対象となり,優れた発表には賞を贈呈します。

 

[IS-023]
高校心理学教育と心理学(者)との効果的なつながりを育むために
教室での心理学シリーズ1

企画代表者日本心理学会教育研究委員会 高校心理学教育小委員会
企画者北川 恵(甲南大学)、大神 優子(和洋女子大学)、楠見 孝(京都大学)
話題提供者鈴木 雅之(横浜国立大学)、杉浦 光紀(東京都立 新宿山吹高等学校)、佐藤 誠子(東北大学)、野崎 優樹(甲南大学)
指定討論者池田 まさみ(十文字学園女子大学)、河原 純一郎(北海道大学)
司会者北川 恵(甲南大学)

日時

2025年9月7日(日) 13:40〜15:20

会場

第1会場(押川記念ホール)

概要

日本心理学会では高校心理学教育導入のために、『心理学ワールド』での連載や、「高校生のための心理学講座」全国開催・YouTube版配信などに取り組み、2018年に発足した高校心理学教育小委員会では公開シンポジウムを継続してきた。2022年度からスタートした新学習指導要領において、公民科の2科目で心理学の内容がより扱われるようになった。「公共」(1,2年生が学ぶ新設必履修科目)で青年期の課題を扱ったうえで、「倫理」(2,3年生が学ぶ選択科目)においては、人格、感情、認知、発達といった心理学の内容が新たに導入された。2025年3月には、これらを学んだ高校生が卒業する。こうした動向と合わせて、本小委員会では2024年度に、日本心理学会と高校教員との連携の場として高校心理学教育連絡協議会(以下、協議会)を発足させ、学会HPに「高校生・高校教員の方へ」のサイトを開設した。2024年末に協議会が高校教員に行ったアンケートから、心理学の授業方法について知りたいニーズの高さがわかった。これを受けて、本小委員会では、心理学者が高校心理学教育の実情を知り、効果的に連携していくための公開シンポジウムをシリーズで企画することにした。高校の先生方が心理学の授業実践についての実際問題について述べ、心理学者が教室のなかで出来る心理学について紹介する。公開シンポジウムがアーカイブでも閲覧可能になることで、高校教員に役立つリソースとなっていくことを期待している。その1回目となる本シンポジウムでは、教室のなかで出来る心理学として、「心理学の授業の導入」および「感情についての授業実践例」を取り上げる。

 

[IS-027]
令和を生きる心理学を学んだ人のキャリア探索

企画代表者日本心理学会認定心理士の会運営委員会、森本 文人(仁愛大学)
企画者岸 太一(京都橘大学)、吉田 琢哉(岐阜聖徳学園大学)、森本 文人(仁愛大学)
話題提供者石橋 里美(東京未来大学)、児玉 真樹子(広島大学大学院)、森本 康太郎(福井県立大学)
指定討論者岸 太一(京都橘大学)、吉田 琢哉(岐阜聖徳学園大学)、森本 文人(仁愛大学)

日時

2025年9月7日(日) 13:40〜15:20

会場

第4会場(L403)

概要

生成AIをはじめとする技術革新が進み,仕事のあり様も刻々と変化している中,令和を生きる学生達はどのようなキャリア探索を行っていったらよいのだろうか。ご登壇の先生方からは,大学生のキャリア意識,円滑な就職に至るまでの心理的過程,キャリアレジリエンスなどについての話題提供をいただく予定である。学生や若手の指導に関わる場面において,あるいは認定心理士として様々な仕事に従事されている皆様が今後のキャリアパスを考える上での参考ともすべく,参加者の方々との議論を深めていきたい。

 

[IS-028]
マインドフルネスの基本を正しく理解しよう!
(参加・体験型)

企画代表者日本心理学会 認定心理士の会運営委員会
話題提供者伊藤 義徳(人間環境大学 総合心理学部)
司会者河原 純一郎(北海道大学)

日時

2025年9月7日(日) 15:50〜17:30

会場

第4会場(L403)

概要

最近、マインドフルネスがブームといわれています。マインドフルネスを紹介する本、アプリ、動画なども多数発表されており、あまりに多すぎて何がマインドフルネスなのか分からなくなるほどです。本企画では、何がマインドフルネスの中核的な要素なのか、心理学の観点から分かりやすく紹介することを目的としています。マインドフルネスとは、「今ここの経験に、評価や判断を加えることなく、意図的に注意を向けることで得られる気づき( Kabat-Zinn, 2003)」と定義されます。ここでいう「気づき」とはどのようなことなのでしょうか。また、気づいてさえいればマインドフルネスなのでしょうか。他になにが必要なのでしょうか。マインドフルネスの中核を押さえることで、実践も研究も、より自信を持って進めることが出来るようになるでしょう。マインドフルネスにむかってこれから一歩踏み出す人の、今一度マインドフルネスをおさらいしたい人の、小さな一助となれば幸いです。