講演情報
[8a-N105-8][第58回講演奨励賞受賞記念講演] In2O3:Hのギャップ内状態密度分布の直接観察と薄膜トランジスタ不安定性の起源 Ⅱ
〇中澤 遼太郎1、曲 勇作2,3、福谷 圭祐1、太田 裕道3、解良 聡1 (1.分子研、2.高知工科大、3.北大電子研)
キーワード:
透明酸化物半導体、ギャップ内準位、薄膜トランジスタ
透明酸化物半導体のIn2O3:Hは高い電界移動度を有し、薄膜トランジスタのチャネル層の材料として注目を集めているが、In2O3:Hの電子輸送特性は作製条件で敏感に変化したり電界ストレスなどでトランジスタ特性が容易に劣化したりする課題を持つ。半導体の電気物性や素子劣化の起源として価電子帯と伝導帯の間の微小な電子状態 (ギャップ内準位) が提案されている。本研究では、試料損傷を抑えつつ平均自由行程が長くなる低エネルギー高感度紫外光電子分光によりIn2O3:Hのギャップ内状態密度のエネルギー分布を実測した。さらに、光照射ストレスにより光誘起ギャップ内準位が生成されることを見出した。講演では光誘起ギャップ内準位や素子劣化の起源について最近の進捗を含めて議論する。