日本畜産学会第133回大会

公開シンポジウム

9月14日(日)13:10 ~ 16:20
岐阜大学本部 講堂
※オンラインとのハイブリッド開催

 

主 催:公益社団法人日本畜産学会、日本学術会議食料科学委員会畜産学分科会
共 催:日本畜産学アカデミー、農林水産省委託プロジェクト研究「畜産からのGHG排出削減のための技術開発」
協 賛:公益財団法人伊藤記念財団

申込方法:会場にて参加される方は、お申し込みは不要です。オンラインで参加される方は、7月初旬に、第133回大会(岐阜大学)のHPあるいは日本学術会議一般公開イベントHPにて、オンライン申し込みサイトをご案内申し上げますので、エントリーをして下さい。

申込期間:令和7(2025)年7月初旬~9月初旬(予定)

 

「持続可能な畜産を目指して~温暖化を防止する技術の最前線~」

地球温暖化は昨今の世界的課題となっており、その要因である温室効果ガス(GHG)の削減は、世界198ヶ国が参画する国際連合の枠組み「気候変動枠組条約締約国会議(通称COP)」により、1995年から継続的に取り組まれています。日本は2021年に2013年度比の約20%のGHGを削減しており、2050年には温室効果ガス排出実質ゼロとなるカーボンニュートラルを目指しています。国連食糧農業機関(FAO)が提示した世界GHG総排出量に占める畜産分野の割合は14.5%(2013年)となっており、その半数は、反芻家畜由来の呼気や家畜排せつ物由来の直接排出といわれています。一方、日本GHG総排出量に占める畜産分野の割合(直接排出のみ)は約1%(2020年)であり、世界と比べると少ないものの、排出量にとらわれることなく、畜産分野からの排出削減に向けた対策や技術開発が求められています。
家畜は、人間には摂取することができない牧草などを栄養価値の高い肉や生乳などの動物性タンパク質に変換してくれる貴重な産業動物です。この動物性タンパク質を含む畜産物を人間が摂取することにより、体位(身長・体重)の向上、脳血管疾患死の減少、平均寿命の向上に一定の役割を果たしてきたと考えられています。このことから、今後も地球温暖化の抑制に取り組みながら持続可能な畜産を目指していくことが重要と言えます。
本シンポジウムでは、温暖化を防止する技術に焦点を絞り、反芻家畜からのメタン排出の制御、低メタン牛の育種方法、家畜排せつ物由来の一酸化二窒素発生抑制などの最新技術や手法についてご紹介しながら、今後の畜産の展望を参加者の皆様と議論し考える機会にしたいと思います。

次 第:
13:10-13:15  開会の挨拶
菊地 和弘
(公益社団法人日本畜産学会理事長/北里大学獣医学部 教授)


13:15-13:25  本シンポジウム企画趣旨の説明
座長:
山下 恭広
(日本学術会議連携会員/国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門 上級研究員/日本畜産学アカデミー会員)


13:25-13:50 「畜産は環境に悪いのか?」
川島 知之
(宮崎大学 名誉教授)


13:50-14:15 「エサで牛のげっぷを減らすには」
小池 聡
(北海道大学 大学院農学研究院 教授)


14:15-14:40 「げっぷの少ない牛の生産を目指して」
上本 吉伸
(東北大学 大学院農学研究科 農学部 教授)


14:40-15:05「家畜のふん尿からも温室効果ガスは出るの?」
野中 最子
(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門 研究推進部研究推進室 畜産連携調整役)


15:05-15:20 休憩


15:20-15:45「デジタルネイティブ世代が導く食の尊さとそれを支える環境を大切にする畜産の実現を目指して」
後藤 貴文
(日本学術会議連携会員/北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター 教授/日本畜産学アカデミー会員)


15:45-16:15 総合討論

座長:
山下 恭広(日本学術会議連携会員/国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門 上級研究員/日本畜産学アカデミー会員)
鈴木 知之(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門 乳牛精密栄養管理グループ長)

パネリスト:
山本 朱美(岐阜大学 応用生物科学部 教授/日本畜産学会第133回大会大会長)
川島 知之(宮崎大学 名誉教授)
小池 聡(北海道大学 大学院農学研究院 教授)
上本 吉伸(東北大学 大学院農学研究科 農学部 教授)
野中 最子(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門 研究推進部研究推進室 畜産連携調整役)
後藤 貴文(日本学術会議連携会員/北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター 教授/日本畜産学アカデミー会員)


16:15-  閉会の挨拶
木村 直子
(日本学術会議第二部会員/山形大学 大学院農学研究科 教授/岩手大学 大学院連合農学研究科 教授/日本畜産学アカデミー幹事)