ランチョンセミナー

 

大会2日目と3日目にランチョンセミナーが開催されます。
お弁当のセミナー会場のある受付にて両日ともに午前8時30分より配布します。
※2会場ございますので、各自で会場を確認してください。
なお、1セミナー100食を予定しています。

引換券は一人1枚に限定いたします。


8月27日(木)12:00~12:50

マルチメディアホール(川内マルチメディア教育研究棟)

2LS-01 
DHA・EPAの科学と健康への挑戦 ~"DHA配合魚肉ソーセージ" 30年の歩み~

座長:河原﨑 正貴(Umios株式会社) 
講師:玉井 忠和(コンサルタント事務所) 
   庵原 啓司(Umios株式会社) 

 Umios株式会社(旧マルハニチロ)は,海を起点とした価値創造力で「食」を通じて人も地球も健康にするソリューションカンパニーへの変革を進めており,中央研究所は,その基幹研究拠点です.食品の基礎研究から持続可能な養殖技術の開発,機能性素材研究,デジタル技術の応用研究など,幅広い分野で研究を進め,「食」を通じた社会課題の解決に取り組んでいます.

 演者らの研究チームは,1990年代からDHAの機能性研究に着手し,魚油特有の酸化・風味劣化といった技術課題を克服しながら,「DHA配合魚肉ソーセージ」を開発・製品化してきました.その30年にわたる歩みは,日本初となる「疾病リスク低減トクホ」の認可取得という成果へとつながっています.

 本ランチョンセミナーでは,DHA・EPAの健康機能に関する科学的知見,魚肉ソーセージという形での商品化の裏側,そして日本の健康食品制度に新たな歴史を刻んだ「疾病リスク低減トクホ」誕生の舞台裏についてお話しします.

C200講義室(川内C棟2F)

2LS-02 
サラダのウェルビーイング的価値創造~「愛は食卓にある」と「つながり」の関係~

座長:木村 守(キユーピー株式会社 研究開発本部 未来創造研究所 上席研究員)
講師:吉田 佳弘(キユーピー株式会社 研究開発本部) 

 キユーピー株式会社では,サラダのあらゆる魅力を提供するスローガン「サラダファースト」のもと,人の健康,サステナビリティ,豊かな食生活への貢献など,多角的な活動を展開している.また,当社のコーポレートメッセージである「愛は食卓にある」は,人と人,そして人と自然との「つながり」の視点での表現を図った時,これら一連の取り組みは「ウェルビーイング」の概念を用いることで,より包括的かつ体系的に捉えることが可能になると考える.

 今回は,これまで十分に議論されてこなかった「食生活がもたらす精神的価値(サラダと幸福感の関連性)」,および「環境課題への具体的な貢献(食品ロス削減とアップサイクル)」の2点に焦点を当てる.最新の研究と実践の事例を紹介し,サラダが内包する新たなウェルビーイング価値について考察する.

大講義室(青葉山コモンズ2F)

2LS-03 

飲料香気マーカー候補を効率よく見つける方法
~高分解能GC-MSを用いた高感度ノンターゲット解析の
実践ワークフロー~
講師:秦 一博(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社) 


四重極GCーMSを用いた香気成分分析 -ノンターゲット定性解析と検体間比較に関するワークフロー-
講師:土屋 文彦(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社) 

 食品や飲料の品質や個性を特徴づける「香り」を客観的に評価するためには,多数の揮発性成分の中から特徴的な香気マーカーを効率よく見つけ出すことが重要です.ガスクロマトグラフィー質量分析計(GC-MS)によるノンターゲット分析は,食品の香気成分を網羅的に把握し,統計解析と組み合わせることで,試料間の違いに寄与する成分や香気マーカー候補を抽出する有効なアプローチとして活用されています.

 本ランチョンセミナーでは,GC-MSを用いた香気マーカー探索の実践的なワークフローをご紹介します.ノンターゲット解析から統計解析までの一連の流れに加え,コーヒー豆および飲料を対象とした具体的なアプリケーション事例を通じて,香気成分解析の最新ソリューションを解説します.

・ノンターゲット解析から統計解析までの香気マーカー探索ワークフロー
・コーヒー豆:SpectralWorks社製デコンボリューションソフトウェアAnalyzerPro™を用いたノンターゲット解析・検体間比較
・飲料:Thermo Scientific™ Compound Discoverer™ソフトウエアを用いた高感度ノンターゲット解析

C205、C206講義室(川内C棟2F)

2LS-04
食品の開発と製造におけるDXの活用データ統合と設備連携による開発・製造プロセスの最適化

 座長:神谷 健史(カミヤ ケンシ) ツカサ工業株式会社

講師1:三原 秀一(ミハラ シュウイチ) 株式会社アイキューブデジタル 取締役 FA事業部長
タイトル:ラボDXによる価値ある時間の確保
講師2:川瀬 輝雄(カワセ テルオ) 株式会社マスダック 常務取締役 食品機械事業本部 本部長
タイトル:菓子製造におけるデータ活用への挑戦
講師3:神谷 健史(カミヤ ケンシ) ツカサ工業株式会社 技術部 課長
タイトル:現場起点のDXとプロセス最適化~粉体機器メーカーの視点から~

 近年,食品業界では研究開発の高度化,製造現場の省人化・効率化,品質の安定化が求められる中で,開発・製造プロセス全体をデータでつなぐDXの重要性が高まっています.

 本セミナーでは,開発・製造の最前線で「各種データをいかに統合・活用するか」「設備間の連携をどう行うべきか」,それらを通じて「開発・製造のフロー全体をどう最適化するか」について,3社それぞれの最新の取り組みをご紹介します.

 具体的には,株式会社アイキューブデジタルからは食品R&Dにおける反復作業の効率化について,株式会社マスダックからは菓子製造におけるデータ活用の事例について,ツカサ工業株式会社からは機器メーカーの強みを活かした食品粉体原料処理におけるDX推進の意義について講演を行います.


8月28日(金)12:00~12:50

マルチメディアホール(川内マルチメディア教育研究棟)

3LS-01 
コーヒー中に含まれる活性成分 ~効能および活用~

座長:粉川 美踏(筑波大学 生命環境系) 
講師:熊王 俊男(味の素AGF株式会社 開発研究所/東京理科大学 薬学部) 

 嗜好品の代表格であるコーヒーは,世界各国で飲用されているポピュラーな飲料である.日本国内では,年間約40万トンもの生豆が輸入されており,世界第4位の消費国である(2025年,全日本コーヒー協会HPデータ).コーヒーは複雑かつ奥深い味わいを有しており,風味を制御するための研究が行われている一方,カフェイン,クロロゲン酸類,トリゴネリン等,多様な活性成分を含む飲料であることから,その健康機能に関する研究も盛んに行われている.本セミナーでは,これらの成分の機能性を概説しながら,日常的なコーヒーの摂取を科学的視点から考察する.また,我々の主要研究テーマであるコーヒー豆由来のマンオースを主体としたオリゴ糖について,そのマルチ機能の有効性など最新データを交えて紹介する.

C200講義室(川内C棟2F) 

3LS-02 
香辛料が支える油脂の安定性 — ラー油の光酸化研究から見えたこと—

座長:仲川 清隆(東北大学大学院農学研究科 食品機能分析学分野)
講師:中川 有理(エスビー食品株式会社) 

  油脂は食品のおいしさやコク,香りの広がりに寄与する一方,保存や加工の過程で熱や光による酸化の影響を受けやすい性質も有します.特に光酸化は遮光容器による対策が基本とされますが,実際の食品設計や流通では十分な遮光条件を確保することは容易ではありません.

 本セミナーでは発売から60年を迎えるラー油に着目し,お話いたします.

 主原料の焙煎ごま油は光酸化しやすい油脂の一つであるにもかかわらず,ラー油は長年にわたり品質を保ちながら親しまれてきました.その理由は,特定成分の抗酸化機能に依存するのではなく,油脂・香辛料・加工条件の組み合わせにより,熱酸化と光酸化が進みにくい“状態”を作り出している点にあります.香辛料は風味付与に加え,安定性や風味保持にも寄与する可能性があります.

 本研究で得られた知見は,酸化しにくい食品設計や賞味期限の延伸につなげることができ,結果としてフードロスの低減にもつながると期待しています.

大講義室(青葉山コモンズ2F)

3LS-03 
前処理なしで“まるっと”わかる食品プロファイル ~イオン化が映し出す“美味しさ”のヒント~

講師:佐川 岳人
             (エスビー食品株式会社 開発生産グループ 中央研究所 スペシャリスト/株式会社島津製作所 技術アドバイザー)

 食品の特徴を数値化することを求められる事が多くなっています.そして,その際には,できるだけ時間をかけずに概要を知りたいという要望が追加される場合もあります.そこで注目される技術の一つとしてあげられるのが,最小限の前処理で迅速に実行できる,クロマトグラフィーを用いないアンビエントイオン化質量分析です.

 本セミナーでは,アンビエントイオン化を行う際のイオン源の1つであるDCDIを用いて,食品に関わる身近な現象を可視化するための具体的なヒントを,お話しさせていただきます.

 今回取り扱うテーマは,以下の3つになります.1)香り立ち測定におけるpos/neg同時リアルタイム計測の可能性を考える,2)身近な調理工程における現象と放出香気成分の挙動を捉える,3)パーッケージ開封時の香り立ちを可視化する.

 このセミナーを通じて,「身近な現象をいかにして可視化できるか」について考えてみませんか.

C205、C206講義室(川内C棟2F)

3LS-04
東日本大震災からの復興の軌跡と今後の展望

共催企業:雪印メグミルク株式会社,株式会社ブルボン,味の素株式会社,東洋水産株式会社

①震災復興に向けた農地洗浄・除染 藤井智幸(東北大学農学部 教授・次世代食産業創造センター副センター長)
②食でつなぐ復興 中井 裕(東北大学 名誉教授・新潟食料農業大学 学長)
③食でつなぐ未来 沖村 智(トレ食株式会社 代表取締役社長)

 本セミナーは,東日本大震災からの復興の歩みを振り返るとともに,食品産業が被災地の復旧・復興に果たしてきた役割を改めて確認し,今後の食品科学工学および食品産業のあり方について考えることを目的としております.震災後,食品産業は,農水産業や食品加工業の再生,地域産品の価値向上,食を通じた健康支援,地域コミュニティの再生など,多方面から復興に関わってきました.これらの「食でつなぐ復興」の経験と,今後の災害対応や地域食品産業の持続的発展を「食でつなぐ未来」として考える機会としたいと思います.