セッション詳細

[2a1611-13]スポーツ文化研究部会【課題B】テーマ別シンポジウム/青年期のスポーツ文化を問い直す―学校と地域ではどのようなスポーツ文化が継承されてきたのか―

2025年8月28日(木) 15:00 〜 17:00
1301教室(教育研究棟 1街区 3階 1301)
コーディネーター:周東 和好(上越教育大学)、関根 正敏(中央大学) 指定討論者:中村 哲也(高知大学)
近年、学校部活動の地域移行/地域展開をめぐる議論が活発化することで、自明視されてきた学校中心のスポーツのあり方が大きな転換点を迎えている。こうした転機に際して、本シンポジウムでは、日本における青年期のスポーツ文化がどのように形成・継承されてきたのかを、学校と地域という二つの実践の場に焦点を当てて検討する。
 学校においては、体育や運動部活動が身体的健全性の育成や、競い合いを通じた向上心の習得、さらには社会的規範や責任感の涵養といった教育的価値の体現の機会として定位し、スポーツは学校教育における人間形成の重要な要素として位置づけられてきた。各時代の社会的要請を反映した教育政策や制度に連動しながら、青少年スポーツの主要な場として戦後の学校教育に深く根づいてきた。一方、地域スポーツクラブにおいては、年齢や立場を超えた参加を可能にし、個人のニーズやライフスタイルに応じた柔軟なスポーツの楽しみ方が展開されてきた。こうした地域社会の実践は、コミュニティ・スポーツや生涯スポーツの推進といった政策的な動向とも連動しつつ、地域に独自のスポーツ文化を育んできた。
 本シンポジウムでは、これら二つの場において育まれてきたスポーツ文化の様相について、歴史的・制度的・文化的に捉え直しながら、それぞれの場ではいかなるスポーツ文化が構築・継承されてきたのについて議論する。部活動の地域移行/地域展開という制度改革を単なる「再配置」として見做し、そのメリットとデメリットを性急に比較したり、その運営に要するリソースの問題へと足早に落とし込んだりするようなスタンスではなく、それぞれの場におけるスポーツ文化の具体像やその存在意義について深く視野を向けたい。バックグラウンドの異なる専門家・実務家をシンポジスト・指定討論者に迎え、青年期のスポーツ文化のあり方について多角的・批判的に検討することにより、より持続可能で包摂的なスポーツ実践のあり方、ならびに次世代のスポーツ教育の方向性を展望する機会としたい。

[スポーツ文化-SB-1]運動部活動がスポーツ文化に及ぼした影響教育言説からのアプローチ

*神谷 拓1 (1. 関西大学)

[スポーツ文化-SB-2]学校運動部と地域および行政におけるスポーツ文化体育社会学的解釈をもとに

*谷口 勇一1 (1. 大分大学)

[スポーツ文化-SB-3]子ども一人ひとりにフォーカスした柔道大会の創設経緯とその成果

*永瀬 義規1,2 (1. 一般社団法人スポーツひのまるキッズ協会、2. 株式会社ジャパンスポーツコミッション)