講演情報
[11-1520-1add]高齢者高度肥満症に対する包括的管理
竹本 稔 (国際医療福祉大学医学部 糖尿病・代謝・内分泌内科学 教授(代表)
国際医療福祉大学 成田病院 糖尿病・代謝・内分泌内科 部長
国際医療福祉大学 成田病院 予防医学センター センター長)
国際医療福祉大学 成田病院 糖尿病・代謝・内分泌内科 部長
国際医療福祉大学 成田病院 予防医学センター センター長)

1993年:富山医科薬科大学(現 富山大学)医学部卒業
2000年:新潟大学大学院医学研究科博士課程(内科系) 修了
2000年:スウェーデン国立イエテボリ大学(ポスドク)
2005年:スウェーデン国立カロリンスカ医科学研究所(Assistant prof.)
2011年:千葉大学大学院医学研究院 細胞治療内科学 助教
2012年:千葉大学大学院医学研究院 細胞治療内科学 講師
2014年:千葉大学大学院医学研究院 細胞治療内科学 准教授
2017年:国際医療福祉大学 臨床医学研究センター 教授
:千葉大学大学院医学研究院 細胞治療内科学 特任教授
2017年:国際医療福祉大学医学部 糖尿病・代謝・内分泌内科学 主任教授
国際医療福祉大学 市川病院 糖尿病・代謝・内分泌内科部長
2020年:国際医療福祉大学 成田病院 糖尿病・代謝・内分泌内科部長
2022年:国際医療福祉大学 成田病院 予防医学センター長(兼任)
2023年:国際医療福祉大学医学部 糖尿病・代謝・内分泌内科学 教授(代表)
2000年:新潟大学大学院医学研究科博士課程(内科系) 修了
2000年:スウェーデン国立イエテボリ大学(ポスドク)
2005年:スウェーデン国立カロリンスカ医科学研究所(Assistant prof.)
2011年:千葉大学大学院医学研究院 細胞治療内科学 助教
2012年:千葉大学大学院医学研究院 細胞治療内科学 講師
2014年:千葉大学大学院医学研究院 細胞治療内科学 准教授
2017年:国際医療福祉大学 臨床医学研究センター 教授
:千葉大学大学院医学研究院 細胞治療内科学 特任教授
2017年:国際医療福祉大学医学部 糖尿病・代謝・内分泌内科学 主任教授
国際医療福祉大学 市川病院 糖尿病・代謝・内分泌内科部長
2020年:国際医療福祉大学 成田病院 糖尿病・代謝・内分泌内科部長
2022年:国際医療福祉大学 成田病院 予防医学センター長(兼任)
2023年:国際医療福祉大学医学部 糖尿病・代謝・内分泌内科学 教授(代表)
超高齢社会の進行に伴い、高度肥満(BMI≥35 kg/m²)を有する高齢者は増加している。肥満は糖尿病・高血圧・脂質異常症などの代謝疾患に加え、サルコペニアやフレイルを促進し、要介護化を招く。治療の目標は、単なる減量ではなく「筋量・骨を維持しつつ代謝と生活機能を改善する」ことにある。
運動療法は治療の中核であり、骨格筋量の維持、インスリン感受性改善、転倒予防に寄与する。アメリカスポーツ医学会は、高齢者においても可能な範囲で週150分程度の中等度有酸素運動、または同等の高強度運動を推奨し、さらに週2回以上のレジスタンス運動および柔軟性・バランス訓練の併用を推奨している。有酸素・筋力・バランスを組み合わせた複合プログラムは、内臓脂肪の減少と筋機能維持を同時に達成できる。
食事療法は1日約500 kcalの中等度制限を目安に、タンパク質1 g/kg体重/日以上、ビタミンD・カルシウム・ロイシンあるいはHMBを十分に摂取する。栄養と運動を統合した介入により、筋量を保ちながら5〜10%の体重減少を安全に達成可能である。
薬物療法では、GLP-1受容体作動薬セマグルチドやGIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチドが新たな選択肢となりつつある。高齢者でも脂肪減少効果は若年者と同等に得られ、筋量減少は軽度に留まることが報告されている。ただし、過度な食欲抑制による低栄養やサルコペニア進行に注意し、管理栄養士・薬剤師との連携が不可欠である。
さらに、生活習慣介入や薬物療法で十分な効果が得られない症例では、減量・代謝改善手術(スリーブ状胃切除術など)が選択肢となる。日本肥満症治療学会のデータベース解析では、65歳以上でも手術は安全に施行可能であり、体重減少率・糖尿病改善効果は若年群と同等であった。一方、術後には骨密度低下やサルコペニア進行を防ぐため、レジスタンス運動とビタミンD補充を継続することが重要である。
高齢者高度肥満症治療では、「減量による代謝・QOL改善」と「骨・筋の健康維持」を両立する包括的管理が求められる。理学療法士を中心に、運動・栄養・薬物・手術を統合した多職種連携体制の確立が鍵となる。
運動療法は治療の中核であり、骨格筋量の維持、インスリン感受性改善、転倒予防に寄与する。アメリカスポーツ医学会は、高齢者においても可能な範囲で週150分程度の中等度有酸素運動、または同等の高強度運動を推奨し、さらに週2回以上のレジスタンス運動および柔軟性・バランス訓練の併用を推奨している。有酸素・筋力・バランスを組み合わせた複合プログラムは、内臓脂肪の減少と筋機能維持を同時に達成できる。
食事療法は1日約500 kcalの中等度制限を目安に、タンパク質1 g/kg体重/日以上、ビタミンD・カルシウム・ロイシンあるいはHMBを十分に摂取する。栄養と運動を統合した介入により、筋量を保ちながら5〜10%の体重減少を安全に達成可能である。
薬物療法では、GLP-1受容体作動薬セマグルチドやGIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチドが新たな選択肢となりつつある。高齢者でも脂肪減少効果は若年者と同等に得られ、筋量減少は軽度に留まることが報告されている。ただし、過度な食欲抑制による低栄養やサルコペニア進行に注意し、管理栄養士・薬剤師との連携が不可欠である。
さらに、生活習慣介入や薬物療法で十分な効果が得られない症例では、減量・代謝改善手術(スリーブ状胃切除術など)が選択肢となる。日本肥満症治療学会のデータベース解析では、65歳以上でも手術は安全に施行可能であり、体重減少率・糖尿病改善効果は若年群と同等であった。一方、術後には骨密度低下やサルコペニア進行を防ぐため、レジスタンス運動とビタミンD補充を継続することが重要である。
高齢者高度肥満症治療では、「減量による代謝・QOL改善」と「骨・筋の健康維持」を両立する包括的管理が求められる。理学療法士を中心に、運動・栄養・薬物・手術を統合した多職種連携体制の確立が鍵となる。
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