講演情報
[P-2-2]人工骨頭置換術後の重度糖尿病患者の目標心拍数を算出した一症例
*松矢 光央1 (1. 医療法人清仁会 洛西シミズ病院 リハビリテーション科)
キーワード:
人工骨頭置換術後、目標心拍数、重度糖尿病
【目的】2型糖尿病患者の運動療法は、血糖コントロール・インスリン抵抗性・心肺機能・脂質 代謝を改善し、血圧を低下させる。 運動処方の原則は「種類」、「強度」、「時間」、「頻度」 を患者の病状やコントロール状況に応じて設定する必要がある。その中でも「強度」設定は運動を安全かつ効果的に実施するために最も重要な項目であると述べている。今回、左大腿骨頚部骨折後に人工骨頭置換術(以下、BHA)を施行し入院時血糖301㎎/dl、HbA1c11.1%のコントロール不良の一症例を報告する。
【症例】90歳代、女性、自宅段差で躓き左大腿骨頚部骨折と診断、同日BHAを施行。受傷前は歩行器歩行にて自立。入院時血糖値301㎎/dl、HbA1c11.1%と高値を認めた。
【結果】術後3日から平行棒内歩を行い、創部の荷重痛と疲労を認めた。関節可動域は、股関節屈曲80°・伸展−5°、膝関節伸展0°。静止立位(体重50.0㎏)の荷重量は健側30㎏、患側20㎏。CRP値12.93㎎/dl(基準値0.30以下)、疼痛評価はNumeric Rating Scale(以下、 NRS)にて8/10。血糖値301㎎/dl、HbA1c11.6%、運動強度である目標心拍数はカルボーネン法で算出。運動中は自覚的運動強度であるBorgscaleを用いて評価しBorg14。FIM68点/126点であった。術後3週後には大腿筋膜張筋・腸脛靭帯の荷重時痛は減少、NRS1/10、歩行器歩行可能となった。股関節屈曲90°・伸展0°、静止立位(体重50.0㎏)の荷重量は健側45㎏、患側5㎏、CRP値0.19㎎/dlと疼痛も軽減していた。血糖値100㎎/dl、HbA1c9.2%へ改善、Borg 変化なし、FIM82点/126点へ向上し、4週後には歩行器歩行・見守りレベルとる。
【結論】本症例は早期より歩行可能のため、術創部の荷重痛が軽減により歩行能力が向上したと考える。運動強度は、疲労の訴えを傾聴しながら目標心拍数を算出することで運動による血糖値改善の骨格筋内の毛細血管の血流が増加し 骨格筋細胞へのブドウ糖の取り込みが亢進したと考える。薬物療法ではインスリン治療・内服を実施、食事療法では糖尿病食1200kcalを実施した。糖尿病治療の3本柱である運動・薬物・食事に介入することで、安全で効果的な運動療法を実施し歩行能力が獲得されたと考える。
倫理的配慮:
本症例は、倫理委員会の承認を得て、患者が特定されないよう配慮
した。
【症例】90歳代、女性、自宅段差で躓き左大腿骨頚部骨折と診断、同日BHAを施行。受傷前は歩行器歩行にて自立。入院時血糖値301㎎/dl、HbA1c11.1%と高値を認めた。
【結果】術後3日から平行棒内歩を行い、創部の荷重痛と疲労を認めた。関節可動域は、股関節屈曲80°・伸展−5°、膝関節伸展0°。静止立位(体重50.0㎏)の荷重量は健側30㎏、患側20㎏。CRP値12.93㎎/dl(基準値0.30以下)、疼痛評価はNumeric Rating Scale(以下、 NRS)にて8/10。血糖値301㎎/dl、HbA1c11.6%、運動強度である目標心拍数はカルボーネン法で算出。運動中は自覚的運動強度であるBorgscaleを用いて評価しBorg14。FIM68点/126点であった。術後3週後には大腿筋膜張筋・腸脛靭帯の荷重時痛は減少、NRS1/10、歩行器歩行可能となった。股関節屈曲90°・伸展0°、静止立位(体重50.0㎏)の荷重量は健側45㎏、患側5㎏、CRP値0.19㎎/dlと疼痛も軽減していた。血糖値100㎎/dl、HbA1c9.2%へ改善、Borg 変化なし、FIM82点/126点へ向上し、4週後には歩行器歩行・見守りレベルとる。
【結論】本症例は早期より歩行可能のため、術創部の荷重痛が軽減により歩行能力が向上したと考える。運動強度は、疲労の訴えを傾聴しながら目標心拍数を算出することで運動による血糖値改善の骨格筋内の毛細血管の血流が増加し 骨格筋細胞へのブドウ糖の取り込みが亢進したと考える。薬物療法ではインスリン治療・内服を実施、食事療法では糖尿病食1200kcalを実施した。糖尿病治療の3本柱である運動・薬物・食事に介入することで、安全で効果的な運動療法を実施し歩行能力が獲得されたと考える。
倫理的配慮:
本症例は、倫理委員会の承認を得て、患者が特定されないよう配慮
した。
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