講演情報
[A-10-06]近世災害地図における視覚情報デザイン1847年善光寺地震の刊行災害図を事例として
*于 貝格1 (1. 武蔵野美術大学)
キーワード:
視覚伝達デザイン、主題図、視覚変数
本稿は、1847年善光寺地震の際に刊行された災害地図「湛水之図」「漂蕩之図」を対象に、その視覚情報構造と情報伝達の方法を検討するものである。近世の災害地図は、これまで主に歴史資料として扱われてきたが、本研究では視覚伝達デザインの観点から再検討し、災害という複合的現象がいかに図像上で整理・可視化されているかを分析する。分析では、地名、被害情報、地形表現、文字、色彩、凡例などの視覚要素に注目し、とくに形・色・大きさ・濃淡・配置といった視覚変数が、情報の分類、強調、階層化にどのように関わっているかを考察する。その結果、これらの図像は単なる被害記録ではなく、複数の災害情報を統合し、理解可能なかたちで提示する視覚媒体として機能していたことを示す。さらに、近世日本における主題図的表現の萌芽として位置づける可能性を検討する。
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