講演情報

[B-11-04]紙立体模型を活用した発話機会を創出する学習環境デザインの試み学生の特性に合わせた付箋と模型の導入順序が思考プロセスに及ぼす環境効果の検証

*井上 順子1、伏見 清香2 (1. 放送大学大学院 博士後期課程、2. 放送大学 文化科学研究科)
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キーワード:

学習環境デザイン、協働学習、紙立体模型

近年の教育現場では協働学習が重視されているが、実際のグループワークでは特定の学生に発話が集中し、言語による説明、描画による可視化、集団内での協調に困難を感じる学生が孤立してしまう「発話機会の不均衡」が課題となっている。本研究では、学習環境設計の観点から視覚的思考である紙立体模型に着目し、ツールの導入順序の違いが対話や思考の外化に及ぼす影響を検証した。実験では、環境A(付箋→模型)、環境B(模型→付箋)における発話状況を比較した。その結果、言語表現に苦手意識を持つ学生には環境A(付箋→模型)、絵を描くことや協調に苦手意識を持つ学生には環境B(模型→付箋)の順序が有効であることを明らかにした。特に模型先行の環境Bは、ワークの初期段階から全員が参画する対話を実現する上で有効であった。これらの知見は、特定のツールの有無以上に、「導入順序」という環境設定が、不均衡な参画構造を解消する鍵であることを示唆している。本研究は、模型の追加と導入順序の最適化が従来のツール活用の限界を補完し得ることを示し、多様な特性を持つ学生が協働学習へ主体的に参加できる支援のあり方について実践的な指針を提示した。

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