講演情報
[C-05-06]デザイン研究者による個人出版の可能性実践事例に基づく新たな出版方法の提案
*宮後 優子1 (1. 東京工芸大学 芸術学部 デザイン学科)
キーワード:
出版、書籍、デザイン
本研究は、出版市場の縮小や読書行動の変化、印刷製本費の高騰により専門書出版が困難化する中、デザイン研究者が商業出版社に依存せず研究成果を発信する方法を検討することを目的とする。まず商業出版の収益構造を整理し、一定の利益確保が企画採択の前提となる実態を示した上で、筆者が運営する個人出版社の事例を分析し、出版形態を三類型に分類した。その結果、取次を介さない個人出版社型やイベント・オンライン直販型は、小規模かつ低コストで実現可能性が高く、特に直販型は少部数でも損益分岐点に到達しやすい初期モデルとして有効であることが明らかとなった。また、デザイン研究者は制作工程を内製化できる点で優位性を有する。一方で、編集・流通・在庫管理などの業務負担の集中、販路確保や品質保証の課題も確認された。個人出版は現実的な選択肢であり、段階的に発展させるモデルの有効性が示された。本研究は研究者が主体的に出版活動を構築するための具体的指針を提示し、学術コミュニケーションの多様化に向けた新たな視点を提供するものである。
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン
