講演情報
[PB-44]オフィスにおけるデザインは「ただの飾り」なのか?オフィス空間デザインがワーカーに与える心理的影響過程の多面的検討
*稲田 晋司1、江川 伊織2、吉田 光成3 (1. 株式会社フロンティアコンサルティング、2. 創発考房バンケ、3. 専修大学大学院)
キーワード:
office design、worker psychology、workplace attractiveness
本研究では、オフィスの「意匠性」がワーカーに与える心理的・行動的影響を定量的に捉えるため、自己過程4位相説を援用した3段階モデル(印象、解釈、態度・行動変容)を構築し、国内の企業正社員1,000名を対象に調査を行った。回答者は魅力評価の回答より、魅力群(414名)と非魅力群(586名)に分けた。調査結果を分析したところ、まず印象の段階では、オノマトペによる5つの体感因子とSD法による9つの意匠因子が抽出され、魅力群ではポジティブな体感(エネルギー、心地よさ)が強く、魅力を規定する意匠性として「洗練感」「余白感」が高く「威圧感」が低い特徴が見られた。次に解釈の段階では、魅力群ではオフィスを通じて会社の価値観や風土(多様性の尊重、挑戦の推奨等)が強く読み取られていた。また、たばこの心理的効用を応用した尺度により、魅力群には集中促進や関係構築といった「嗜好品」に近い心理的効用をもたらし、場所愛着を高めることが示された。本知見は、オフィスデザインを経営理念の浸透や心理的価値創出の媒体として構造化するものであり、設計者と依頼主企業の共通言語として合意形成の効率化に寄与することが期待される。
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