講演情報

[PB-81]裁ち鋏における⾜左の成⽴過程に関する考察⾝体技法・剪断構造・社会的需要の複合的検討

*土屋 篤生1、田中 頌子2、髙梨 彰2、禹 在勇1 (1. 湘南工科大学、2. 湘南工科大学大学院)
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キーワード:

裁ち鋏、左利き、道具デザイン

本研究では、右利き用の刃に左利き用のハンドルを組み合わせた、日本の裁ち鋏の変種である「足左」の形成過程を考察する。右利き用の道具を左利きで使うことは筋骨格系障害(MSDs)のリスク増加と関連しているが、歴史的、経済的、社会的な制約により、左利き用道具の完全な普及は妨げられてきた。足左と呼ばれる特殊な形態は裁ち鋏に特有のものであり、他の種類の鋏には見られない。特許分析、文献レビュー、および鍛冶職人・刃物問屋へのインタビューを通じて、5つの相互に関連する要因が特定された。それらは裁ち鋏特有の、①机面による剪断問題の緩和(裁ち鋏固有の機能的条件)、②右利き用習熟による身体技法の修得と再学習の障壁、③洋裁ブームと左利き矯正慣行の時代的重なり、④作り手と使い手の距離が近い製造・流通方式、⑤製造コストの回避である。このような道具の出現経緯から、左利き用道具の問題は単に右利き用道具の反転だけでは解決しないという、インクルーシブデザインにおいて身体的習熟の履歴も考慮した総合的なデザインの必要を示唆している。

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