講演情報
[KK3]まだ早い、もう遅いではない、病院マネジメントを検査技師の武器にする術―逼迫した病院と検査室を取り巻く環境変化から考える―
*神戸 翼1 (1. 医療法人社団永生会 永生総合研究所 所長)
少子高齢化、医療費の増大、人材不足など、医療現場を取り巻く構造的な課題が深刻化する中、病院はかつてないほどの変化と逼迫に直面しています。臨床検査技師の現場も例外ではなく、検査件数の増加や精度管理の高度化、働き方改革への対応により、業務の効率化と質の維持を両立させることが求められています。これまでのように「日常業務をこなすだけ」では立ち行かず、現場の持続可能性をどう確保するかが問われる時代に入りました。
こうした状況の中で、臨床検査技師が病院マネジメントの視点を「自らの武器」として活用することが、これまで以上に重要になっています。「まだ早い」「もう遅い」といった議論ではなく、まさに“今”が、検査技師が病院運営へ主体的に関与し、自身の存在価値を高めていく絶好のタイミングです。病院を取り巻く外部環境の変化――診療報酬改定による収益構造の変動、地域医療構想に伴う役割再編、DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速――は、すべて検査室の在り方に直結しています。これらの変化を正しく理解し、戦略的に対応していく力が、今後の臨床検査技師には不可欠です。
そのための新しい人材像として、「パイ型人材」を提案します。これは、専門的な臨床技術に加えて、組織運営や経営視点を兼ね備えた人材を指します。単なる管理職ではなく、現場と経営をつなぐ「橋渡し役」として機能できる人材こそが、これからの病院を支える核となります。検査データを活用して経営に貢献する、チーム医療を推進する、地域連携を設計するなど、病院マネジメントに関与する機会は確実に広がっています。
さらに、そうした力を育むための学びの場も整いつつあります。医療技術部門管理者資格や医療管理者資格、そして臨床検査技師マネジメント塾など、体系的に学べる仕組みが生まれています。また、社会人基礎力を6つの力に整理したMTJ連載や、病院運営を体験的に学べるボードゲーム「病院をつくろう」といった、楽しみながら学べる実践的ツールも登場しています。これらの取り組みは、学びを「現場の課題解決」とつなげる実践知の育成につながります。
病院マネジメントを自分ごととして捉えることは、「管理職を目指すこと」ではありません。それは、より良い現場をつくり、職能の価値を高め、医療を持続可能にするための新しい選択肢です。臨床検査技師が「守るべき現場」から「変えるべき現場」へと踏み出す――その第一歩を後押しすることが、この講演の目的です。
こうした状況の中で、臨床検査技師が病院マネジメントの視点を「自らの武器」として活用することが、これまで以上に重要になっています。「まだ早い」「もう遅い」といった議論ではなく、まさに“今”が、検査技師が病院運営へ主体的に関与し、自身の存在価値を高めていく絶好のタイミングです。病院を取り巻く外部環境の変化――診療報酬改定による収益構造の変動、地域医療構想に伴う役割再編、DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速――は、すべて検査室の在り方に直結しています。これらの変化を正しく理解し、戦略的に対応していく力が、今後の臨床検査技師には不可欠です。
そのための新しい人材像として、「パイ型人材」を提案します。これは、専門的な臨床技術に加えて、組織運営や経営視点を兼ね備えた人材を指します。単なる管理職ではなく、現場と経営をつなぐ「橋渡し役」として機能できる人材こそが、これからの病院を支える核となります。検査データを活用して経営に貢献する、チーム医療を推進する、地域連携を設計するなど、病院マネジメントに関与する機会は確実に広がっています。
さらに、そうした力を育むための学びの場も整いつつあります。医療技術部門管理者資格や医療管理者資格、そして臨床検査技師マネジメント塾など、体系的に学べる仕組みが生まれています。また、社会人基礎力を6つの力に整理したMTJ連載や、病院運営を体験的に学べるボードゲーム「病院をつくろう」といった、楽しみながら学べる実践的ツールも登場しています。これらの取り組みは、学びを「現場の課題解決」とつなげる実践知の育成につながります。
病院マネジメントを自分ごととして捉えることは、「管理職を目指すこと」ではありません。それは、より良い現場をつくり、職能の価値を高め、医療を持続可能にするための新しい選択肢です。臨床検査技師が「守るべき現場」から「変えるべき現場」へと踏み出す――その第一歩を後押しすることが、この講演の目的です。
