講演情報
[GP9]血液培養ボトルの供給不足~当院での対応について~
*大村 芽依1、金 美耶1、佐藤 佑樹1、金井 順侯1、高平 雅和1 (1. 同愛記念病院)
【はじめに】
血液培養検査では検出感度の向上、検出菌が原因菌か皮膚常在菌による汚染菌かの判断が必要となるため、複数セット採取が推奨されている。当院でも原則として複数セット採取で検査を行っている。
2024年7月3日に日本ベクトン・ディッキンソン株式会社(以下BD社)より
「BDバクテックTM血液培養ボトル」の今後の製造と出荷が通常の50%程度に制限される見込みであることが発表された。当院では翌日より原則1セットを院内ルールとして、運用が開始された。
今回、供給不足期間3ヶ月を含めた1年間の血液培養検査の状況を振り返り、複数セット採取の必要性について検証し、供給不足期間の影響について報告する。
【対象および方法】
2024年1月から2024年12月までの1年間に提出された血液培養検体を対象として、複数セット採取率、陽性率、汚染率について算出した。汚染菌についてはAST(抗菌薬適性使用支援チーム)でのカンファレンスで判定している。
【結果】
複数セット採取率は2024年1月から6月までの平均は99.1%、供給不足期間である7月は22.0%、8月は8.6%、9月は6.4%、復旧後の10月から12月までの平均は97.9%であった。供給不足期間の複数セット採取率は極端に減少したが、復旧後は供給不足前と同率の採取率であった。供給不足期間の陽性率、汚染率に関しては不足期間前後と比較して大きな変化は無かったが、汚染率については1セット採取の影響で汚染菌の判定が困難となり、時間を要した症例もあった。
【考察・まとめ】
汚染率は1年間を通して大きな変化は無かったが、供給不足期間は1セット採取となったため判定が困難となり、血液培養検査における複数セット採取率の必要性を再認識できた良い機会であった。
今回、我々はボトルの供給不足という想定外の事態に直面したが、日ごろからICT(感染制御チーム)やASTと連携していることで迅速な対応、院内ルールを徹底することができた。その結果、ボトルの供給不足期間であっても院内のボトルの在庫を切らすことなく、検査を滞りなく進めることができた。今後もICTやASTでのコミュニケーションを積極的にとり、複数セット採取の重要性などの情報を発信していくことで感染対策により尽力していきたい。
大村芽依 0570-200-678(内線番号587)
血液培養検査では検出感度の向上、検出菌が原因菌か皮膚常在菌による汚染菌かの判断が必要となるため、複数セット採取が推奨されている。当院でも原則として複数セット採取で検査を行っている。
2024年7月3日に日本ベクトン・ディッキンソン株式会社(以下BD社)より
「BDバクテックTM血液培養ボトル」の今後の製造と出荷が通常の50%程度に制限される見込みであることが発表された。当院では翌日より原則1セットを院内ルールとして、運用が開始された。
今回、供給不足期間3ヶ月を含めた1年間の血液培養検査の状況を振り返り、複数セット採取の必要性について検証し、供給不足期間の影響について報告する。
【対象および方法】
2024年1月から2024年12月までの1年間に提出された血液培養検体を対象として、複数セット採取率、陽性率、汚染率について算出した。汚染菌についてはAST(抗菌薬適性使用支援チーム)でのカンファレンスで判定している。
【結果】
複数セット採取率は2024年1月から6月までの平均は99.1%、供給不足期間である7月は22.0%、8月は8.6%、9月は6.4%、復旧後の10月から12月までの平均は97.9%であった。供給不足期間の複数セット採取率は極端に減少したが、復旧後は供給不足前と同率の採取率であった。供給不足期間の陽性率、汚染率に関しては不足期間前後と比較して大きな変化は無かったが、汚染率については1セット採取の影響で汚染菌の判定が困難となり、時間を要した症例もあった。
【考察・まとめ】
汚染率は1年間を通して大きな変化は無かったが、供給不足期間は1セット採取となったため判定が困難となり、血液培養検査における複数セット採取率の必要性を再認識できた良い機会であった。
今回、我々はボトルの供給不足という想定外の事態に直面したが、日ごろからICT(感染制御チーム)やASTと連携していることで迅速な対応、院内ルールを徹底することができた。その結果、ボトルの供給不足期間であっても院内のボトルの在庫を切らすことなく、検査を滞りなく進めることができた。今後もICTやASTでのコミュニケーションを積極的にとり、複数セット採取の重要性などの情報を発信していくことで感染対策により尽力していきたい。
大村芽依 0570-200-678(内線番号587)
