講演情報
[GP10]初めて経験した細菌検査システムと機器更新における取り組みについて
*竹内 真那1、室谷 真紀子1、窪川 海1、古賀 美優1、鈴木 重徳1 (1. 独立行政法人地域医療機能推進機構 東京新宿メディカルセンター)
【はじめに】当院では2024年9月に検査実績課金方式により検査システムと検査機器の更新が行われ、細菌検査室においても新たな細菌システムと全自動細菌同定感受性検査装置が導入された。そこで機器の選定と運用の見直しまでの取り組みについて報告する。【問題点・目的】機器更新前の問題点として、①同定・感受性検査で使用する備品の廃棄量について、②装置で使用する多数の試薬の管理や交換の必要性、③精度管理を書類で管理している事による用紙のコストと保管が挙げられた。そのため装置の精度を考慮した上で、おもに廃棄物の削減と業務の効率化を目的として機器選定を行った。【機器の選定】選定はメーカーによる実演や説明会を経て、問題点の改善を考慮したうえでVITEK2ブルー(ビオメリュー社)へ決定した。【効果・検討】メンテナンスや試薬の交換が不要となったことで日々の業務をより効率的に行えるようになった。コスト削減においては、装置変更前後での感染性廃棄物の廃棄容器数で比較検討を行った。赤色のバイオハザードマークの廃棄容器(30L)の容器単価530円/箱、1箱あたり10㎏として処分費を計算したところ、感染性廃棄物の容器の処分率は48.1%減少し、年間で206397円のコスト削減が見込めた。また検体の廃棄方法等を見直することで、赤色のバイオハザードマークの廃棄容器からオレンジのバイオハザードマークの廃棄容器へ廃棄方法を変更することでさらに削減された。さらに検査システムの変更に伴い、書類で保管していた遺伝子検査の内部精度管理の精報をシステム上で取り込むことで、患者・検査の情報を同時に管理することが可能となった。【まとめ】機器選定によって、目的としていた廃棄物の削減と業務の効率化へ繋がった。更新前の同定・感受性検査の際、菌液の分注やバーコードの貼付等の手作業で行っていた工程がVITEK2ブルーを導入することで自動化され、ヒューマンエラーの防止や作業時間を他の業務に充てることが可能となった。今回初めての機器更新、取り組みを経験し、装置にはメリット、デメリットなどの特徴があることを把握し、現状の問題点を日頃から意識しておくことが、次回の機器選定の際に大きく役立つと考えられた。
東京新宿メディカルセンター細菌検査室 03-3269-8111(内線2456)
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