講演情報
[GP24]当院における尿路感染症スクリーニングとしての尿中白血球数の有用性について
*深沢 加奈1、三田村 靖子1、奥山 力也1、岡村 邦彦1、後藤 文彦1、室屋 充明1 (1. NTT東日本関東病院)
【はじめに】尿沈渣分析装置を用いた白血球数や,細菌検査による尿路感染症スクリーニング結果の迅速報告は,診断に向けた精査や治療方針の決定において重要である.今回,我々は尿路感染症の指標として,尿沈渣中の白血球数の有用性について検討し,若干の知見を得たので報告する.
【対象・方法】2023年4月1日~2024年3月31日の期間に当院を受診した外来患者で尿沈渣検査(以下,尿沈渣)と尿培養検査(以下,培養)が同日に依頼があった478件を対象とした.検体測定には全自動尿中有形成分分析装置UF-5000(シスメックス社)及び尿沈渣目視法を併用し,尿中白血球数と培養結果との関連性について検討した.
【結果】尿沈渣にて「白血球数4/HPF以下」の検体219件のうち培養で菌量104 CFU/mL以下は210件(95.9%),105 CFU/mL以上は9件(4.1%)であった.尿沈渣で「白血球数5/HPF以上」の検体259件のうち培養で菌量104 CFU/mL以下は91件(35.1 %),105 CFU/mL以上は168件(64.9%)であった.上記の白血球数による2群間(4/HPF以下,5/HPF以上)では有意差(X2=187.8, P<0.01)が認められた.
【考察】本検討では,尿沈渣「白血球数4/HPF以下」では尿路感染症の起炎菌となり得る菌量(105 CFU/mL)の検出頻度は低いことから, 尿中白血球数を指標に培養の必要性を判断できる可能性が示唆された.一方,「白血球数5/HPF以上」については,尿路感染症以外の要因が白血球数の増加に関与していると考えられた.
【結論】尿路感染症検査は,尿沈渣による白血球数でスクリーニングを実施することで培養件数の削減や,検査の効率性の向上が期待できる.
連絡先 03-3448-6401
【対象・方法】2023年4月1日~2024年3月31日の期間に当院を受診した外来患者で尿沈渣検査(以下,尿沈渣)と尿培養検査(以下,培養)が同日に依頼があった478件を対象とした.検体測定には全自動尿中有形成分分析装置UF-5000(シスメックス社)及び尿沈渣目視法を併用し,尿中白血球数と培養結果との関連性について検討した.
【結果】尿沈渣にて「白血球数4/HPF以下」の検体219件のうち培養で菌量104 CFU/mL以下は210件(95.9%),105 CFU/mL以上は9件(4.1%)であった.尿沈渣で「白血球数5/HPF以上」の検体259件のうち培養で菌量104 CFU/mL以下は91件(35.1 %),105 CFU/mL以上は168件(64.9%)であった.上記の白血球数による2群間(4/HPF以下,5/HPF以上)では有意差(X2=187.8, P<0.01)が認められた.
【考察】本検討では,尿沈渣「白血球数4/HPF以下」では尿路感染症の起炎菌となり得る菌量(105 CFU/mL)の検出頻度は低いことから, 尿中白血球数を指標に培養の必要性を判断できる可能性が示唆された.一方,「白血球数5/HPF以上」については,尿路感染症以外の要因が白血球数の増加に関与していると考えられた.
【結論】尿路感染症検査は,尿沈渣による白血球数でスクリーニングを実施することで培養件数の削減や,検査の効率性の向上が期待できる.
連絡先 03-3448-6401
