講演情報
[GP25]自動血球計数装置を用いた体腔液細胞数検査の24時間体制構築とその効果
*廣住 環季1、石澤 毅士1、服部 桜1、山方 純子1、荒井 智子1、涌井 昌俊2、松下 弘道2 (1. 慶應義塾大学病院 臨床検査科 2.慶應義塾大学医学部 臨床検査医学)
【目的】当院では従来、体腔液細胞数検査(髄液を除く)はFuchs-Rosenthal計算盤を用いた用手法で行い、臨床検査技師2名のダブルチェックを経て報告していた。この検査は平日時間内に限定され、16:30以降に提出された検体は翌診療日の対応となっていた。しかし、臨床側からは休日や時間外の検査実施を求める要望が強かったため、多項目自動血球計数装置XN-9100(Sysmex、以下XN)を用いて、2022年12月より24時間検査体制を構築した。その運用方法と効果について報告する。
【方法】休日時間外における検査の運用フローを以下に示す。
① 一次報告:提出された検体をXNの体液モードで分析し、全細胞数(TNC)および多形核球数(PMN)を算定し、PMNは参考値として一次報告を行う。
② 検体保存:分析後の検体はEDTA-2K管に2mL分注し、鏡検分類まで冷蔵保存する。
③ 確定報告:翌診療日、②の保存検体を用いてサムソン液で染色後、尿沈渣検査と同様の方法でスライドを作製する。検体検査システムのカウンター機能で単核球、多形核球、その他に分類後、TNCに比率を乗じて、各細胞数(個/μL)を算出し、これを確定報告とする。
【結果】Turn Around Time(TAT)について、従来法(2021年12月〜2022年11月、n=171)では平均67±46分であったのに対し、新法(2023年11月〜2024年10月、n=573)における一次報告は平均24±16分と有意な短縮を認めた(p < 0.001)。確定報告までのTATは平均63±30分と従来法と大差なかったが、標準偏差が小さくなり、報告時間のばらつきが減少した。
【結語】体腔液細胞数検査に自動血球計数装置と鏡検分類を組み合わせたことで業務効率化とTAT短縮を実現し、24時間検査体制を構築することができた。本運用は、緊急性を要する病態における迅速な診断および治療方針決定への貢献が期待される。
連絡先:03-3353-1211(内線62513)
【方法】休日時間外における検査の運用フローを以下に示す。
① 一次報告:提出された検体をXNの体液モードで分析し、全細胞数(TNC)および多形核球数(PMN)を算定し、PMNは参考値として一次報告を行う。
② 検体保存:分析後の検体はEDTA-2K管に2mL分注し、鏡検分類まで冷蔵保存する。
③ 確定報告:翌診療日、②の保存検体を用いてサムソン液で染色後、尿沈渣検査と同様の方法でスライドを作製する。検体検査システムのカウンター機能で単核球、多形核球、その他に分類後、TNCに比率を乗じて、各細胞数(個/μL)を算出し、これを確定報告とする。
【結果】Turn Around Time(TAT)について、従来法(2021年12月〜2022年11月、n=171)では平均67±46分であったのに対し、新法(2023年11月〜2024年10月、n=573)における一次報告は平均24±16分と有意な短縮を認めた(p < 0.001)。確定報告までのTATは平均63±30分と従来法と大差なかったが、標準偏差が小さくなり、報告時間のばらつきが減少した。
【結語】体腔液細胞数検査に自動血球計数装置と鏡検分類を組み合わせたことで業務効率化とTAT短縮を実現し、24時間検査体制を構築することができた。本運用は、緊急性を要する病態における迅速な診断および治療方針決定への貢献が期待される。
連絡先:03-3353-1211(内線62513)
