講演情報

[KS2]MASLD/MASHにおける肝線維化マーカー Ⅳ型コラーゲン・7Sの臨床的有用性

*髙橋 潤1 (1. H.U.フロンティア株式会社 カスタマーサポート部 テクニカルサポート課)
2023年に欧州肝臓学会、米国肝臓病学会、ラテンアメリカ肝疾患研究協会より合同でNAFLD/NASH(非アルコール性脂肪性疾患/非アルコール性脂肪性肝炎)と呼ばれた疾患がMASLD/MASH(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患/代謝機能障害関連脂肪肝炎)に変更することが発表されました。今後、肝硬変や肝がんの原因は非ウイルス性肝炎が主となることが予測されており、MASLD/MASHにおいても肝線維化を見ていくことが重要です。また、肝線維化にはF0~F4の段階があり、肝線維化を早期の段階で把握できれば早めの生活指導を行うことで肝硬変・肝がんへの移行を遅らせられる可能性があるとされています。
 肝線維化の検査は肝生検がゴールドスタンダードですが、侵襲性が高いという懸念があります。したがって非侵襲的で有用なバイオマーカーが模索されてきましたが、今回、富士レビオ株式会社より新たにCLEIA法でのⅣ型コラーゲン・7Sの測定試薬が開発されました。Ⅳ型コラーゲン・7Sは古くからあるバイオマーカーであり、従来はRIA法であったが本試薬はCLEIA法を測定原理としたことで、LoQ:0.270 ng/mLと高い感度を有しています。その結果、MASLD/MASHにおける肝線維化の評価にてRIA法では区別できなかった肝線維化ステージのF1とF2を区別することが可能と報告され、患者への生活指導等を実施することで将来の肝硬変・肝がんのリスクを軽減できる可能性が示唆されたことをご紹介いたします。