講演情報
[GP31]タクロリムス測定試薬変更のためのDimension EXL200とAlinity iの比較検討
*佐藤 和佳菜1、永井 悦子1、田口 薫子1、下坂 浩則1、長村 登紀子1 (1. 東京大学医科学研究所附属病院)
タクロリムスは移植医療や自己免疫性疾患の患者に処方される免疫抑制剤である。有効な治療域が狭く、体内動態に個人差もあり、重篤な副作用を伴うことがあるため薬物血中濃度モニタリングは重要である。またタクロリムスには様々な測定法がある。当院ではこれまでタクロリムス測定にaffinity column mediated immunoassay (ACMIA)法である臨床化学自動分析装置Dimension EXL200 (SIEMENS)を使用していたが、化学発光免疫測定法(CLIA法)である全自動化学発光免疫測定装置Alinity i(Abbott)に変更することとなり、両者を比較検討したので報告する。
(方法)現行機器及び試薬: Dimension EXL200(SIEMENS)、フレックスカートリッジタクロリムス TAC
検討機器及び試薬: Alinity i(Abbott)、タクロリムス・アボット
併行精度、室内精度、患者検体の相関を確認した。3濃度のコントロール試料を連続10回測定し併行精度を確認した。また室内精度の確認のため2025年6月6日から2025年7月11日の間に18日間のコントロール測定を行った。さらにタクロリムスの測定依頼があった患者検体の残余(n=93、EDTA-2K)を使用しAlinity iでタクロリムスを測定し相関を解析した。
(結果)併行精度の変動係数(CV)は2.50-3.72%、室内精度のCV 3.35-4.48%であった。また相関係数はr=0.9817 、回帰式はy=0.920x+0.230であった。
(まとめ)
Alinity iのタクロリムス測定において併行精度、室内精度および相関性で概ね良好な結果が得られた。Dimension EXL200(SIEMENS)では測定前の前処理操作は不要だが、Alinity iでは検体の前処理にマニュアル操作を要する点が異なる。既に前処理操作が必要な他の項目をAlinity iで測定しており、良好な結果が得られたことから前処理操作における検査精度への影響は大きくないと考える。
連絡先:03-3443-8111 (内線75340)
(方法)現行機器及び試薬: Dimension EXL200(SIEMENS)、フレックスカートリッジタクロリムス TAC
検討機器及び試薬: Alinity i(Abbott)、タクロリムス・アボット
併行精度、室内精度、患者検体の相関を確認した。3濃度のコントロール試料を連続10回測定し併行精度を確認した。また室内精度の確認のため2025年6月6日から2025年7月11日の間に18日間のコントロール測定を行った。さらにタクロリムスの測定依頼があった患者検体の残余(n=93、EDTA-2K)を使用しAlinity iでタクロリムスを測定し相関を解析した。
(結果)併行精度の変動係数(CV)は2.50-3.72%、室内精度のCV 3.35-4.48%であった。また相関係数はr=0.9817 、回帰式はy=0.920x+0.230であった。
(まとめ)
Alinity iのタクロリムス測定において併行精度、室内精度および相関性で概ね良好な結果が得られた。Dimension EXL200(SIEMENS)では測定前の前処理操作は不要だが、Alinity iでは検体の前処理にマニュアル操作を要する点が異なる。既に前処理操作が必要な他の項目をAlinity iで測定しており、良好な結果が得られたことから前処理操作における検査精度への影響は大きくないと考える。
連絡先:03-3443-8111 (内線75340)
