講演情報
[KS4]敗血症診療における最新の話題(免疫検査と細菌検査)
*黒木 優介1、上田 修1 (1. ベックマン・コールター株式会社)
【はじめに】
敗血症(はいけつしょう、英: sepsis)とは、感染症に対する制御不能な生体反応に起因する生命を脅かすような臓器障害のことで、患者数は世界で年間約2700万人、そのうち約800万人が死亡していると報告されている。日本における年間死亡者は10万人を超えると推計されている。
敗血症は、1989年にBoneらが提唱した「sepsis syndrome」という概念に端を発し、1991年には米国の集中治療医らにより「感染による全身性炎症反応症候群(Systemic Inflammatory Response Syndrome ; SIRS)」とされ、1992年には「感染によって発症したSIRS」と定義された。(Sepsis-1)その後、2016年の改訂では臓器障害に焦点が当てられ、「感染に対する制御不能な宿主反応に起因した生命を脅かす臓器障害」と再定義され、今日に至っている。(Sepsis-3)
敗血症は早期処置が非常に重要であり、原因となる感染源(細菌・ウイルス・真菌等)を特定し、早期の治療介入が必要となる。細菌による感染症の際は抗菌薬を、ウイルスには抗ウイルス薬、真菌には細胞膜を破壊したり合成阻害を作用機序とする抗真菌薬をそれぞれ投与することで改善が期待できる。
しかし同時に抗菌薬使用に関する問題も指摘されており、2016年5月27日主要7か国の首相が集まるG7サミットの保健分野において、政府は薬剤耐性(AMR)対策の強化などを盛り込んだ「伊勢志摩首脳宣言」を発表している。
薬剤耐性菌は多様な耐性機構を有する傾向にあり、不適切な初期抗菌薬投与により治療が難渋し、副作用や在院日数の長期化に伴う易感染性患者への感染リスク増大、医療コストの増加など多面的な弊害をもたらす。またWHOの報告ではAMRに対して、このまま何の対策もとられない場合、2050年には全世界でAMR関連の死亡者数は毎年1,000万人を数え、がんによる死亡者数を上回ると試算されている。これらに対する対策としては、適切な抗菌薬治療が重要とされ、感染の有無の早期診断、感染源の早期特定、抗菌薬投与期間の減少が望まれている。
【紹介】
当社はバイオテクノロジー、臨床検査、ライフサイエンスの各分野で活動するダナハーグループの一員であり、米国に本社を置き、世界各国でビジネスを展開する臨床検査分野におけるリーディングカンパニーの1社であり、幅広い製品・サービス・ソリューションを開発、提供している。
本講演では当社が有する感染症に関連するソリューションの中から、特に敗血症に関する最新情報を踏まえてご紹介をさせていただく。
敗血症(はいけつしょう、英: sepsis)とは、感染症に対する制御不能な生体反応に起因する生命を脅かすような臓器障害のことで、患者数は世界で年間約2700万人、そのうち約800万人が死亡していると報告されている。日本における年間死亡者は10万人を超えると推計されている。
敗血症は、1989年にBoneらが提唱した「sepsis syndrome」という概念に端を発し、1991年には米国の集中治療医らにより「感染による全身性炎症反応症候群(Systemic Inflammatory Response Syndrome ; SIRS)」とされ、1992年には「感染によって発症したSIRS」と定義された。(Sepsis-1)その後、2016年の改訂では臓器障害に焦点が当てられ、「感染に対する制御不能な宿主反応に起因した生命を脅かす臓器障害」と再定義され、今日に至っている。(Sepsis-3)
敗血症は早期処置が非常に重要であり、原因となる感染源(細菌・ウイルス・真菌等)を特定し、早期の治療介入が必要となる。細菌による感染症の際は抗菌薬を、ウイルスには抗ウイルス薬、真菌には細胞膜を破壊したり合成阻害を作用機序とする抗真菌薬をそれぞれ投与することで改善が期待できる。
しかし同時に抗菌薬使用に関する問題も指摘されており、2016年5月27日主要7か国の首相が集まるG7サミットの保健分野において、政府は薬剤耐性(AMR)対策の強化などを盛り込んだ「伊勢志摩首脳宣言」を発表している。
薬剤耐性菌は多様な耐性機構を有する傾向にあり、不適切な初期抗菌薬投与により治療が難渋し、副作用や在院日数の長期化に伴う易感染性患者への感染リスク増大、医療コストの増加など多面的な弊害をもたらす。またWHOの報告ではAMRに対して、このまま何の対策もとられない場合、2050年には全世界でAMR関連の死亡者数は毎年1,000万人を数え、がんによる死亡者数を上回ると試算されている。これらに対する対策としては、適切な抗菌薬治療が重要とされ、感染の有無の早期診断、感染源の早期特定、抗菌薬投与期間の減少が望まれている。
【紹介】
当社はバイオテクノロジー、臨床検査、ライフサイエンスの各分野で活動するダナハーグループの一員であり、米国に本社を置き、世界各国でビジネスを展開する臨床検査分野におけるリーディングカンパニーの1社であり、幅広い製品・サービス・ソリューションを開発、提供している。
本講演では当社が有する感染症に関連するソリューションの中から、特に敗血症に関する最新情報を踏まえてご紹介をさせていただく。
