講演情報

[KHK3]染色体・遺伝子関連検査の学習・育成ポイント
講義1 染色体検査の学習・育成ポイント
講義2 PCRを中心とした遺伝子関連検査の学習・育成ポイント
講義3 NGSを中心とした遺伝子関連検査の学習・育成ポイント

*青木 舞1、土屋 浩二2、渡邊 佳織3 (1. 日本大学医学部附属板橋病院 2.順天堂大学医学部附属順天堂医院 3.国立がん研究センター中央病院)
近年、遺伝子関連検査は臨床現場において急速に普及している。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、PCRをはじめとする核酸増幅検査が多くの医療機関で導入され、遺伝子関連検査の重要性と認知度は飛躍的に高まった。これを契機に、検査体制の拡大を検討する施設も増えてきている。さらに、自動化装置の開発が進み、簡便に検査が可能となったことから、遺伝子関連検査の普及は一層加速すると考えられる。加えて、がんゲノム医療において、固形がんおよび造血器腫瘍に対して次世代シーケンサー(NGS)による遺伝子パネル検査が保険収載され、臨床での活用範囲はさらに広がっている。一方、従来から実施されているG分染法やFISH法による染色体検査は、先天性疾患や造血器腫瘍の診断において重要な検査となっている。近年、マイクロアレイ染色体検査が保険収載され、G分染法やFISH法では検出できない微細な染色体異常を検出可能であり、先天性疾患の診断精度の向上に寄与している。
 このような遺伝子関連検査の普及と需要の高まりを背景に、染色体・遺伝子関連検査を学ぼうとする臨床検査技師が増えてきている。しかし、他の検査分野と比較すると研修会や実技講習、教材などの教育コンテンツが少なく、自己研鑽に苦慮するケースも少なくない。
 そこで本企画では、染色体検査、遺伝子関連検査に携わる経験豊富な臨床検査技師に登壇いただき、自身の経験をもとに、どのように自己研鑽を重ねて知識・技術を深めてきたのかを紹介いただく。また、本学会のテーマである「ミライへの継承」にちなみ、後進育成の取り組みについても講演いただく予定である。
これから染色体・遺伝子関連検査を学ぶ方や知識・技術をさらに深めたい方、そして後進育成に携わる方にとって、本企画が日々の実務や学びの参考となり、染色体・遺伝子関連検査の知識や技能を次世代へつなぐ道しるべとなれば幸いである。