講演情報
[1G05]NaCl存在下におけるジルカロイの水蒸気酸化メカニズムの評価
*中沢 亮太1、伊藤 あゆみ1、平井 睦2、溝上 暢人2 (1. 東京科学大学、2. 東電HD)
キーワード:
福島第一原子力発電所、過酷事故、U含有粒子、ジルカロイ、水蒸気酸化
福島第一原発の炉内で採取されたU含有粒子のうち、一部は蒸発凝縮過程で形成したと見られる特徴を有し、わずかにZrを含むものも確認された。Zrは金属・酸化物形態における揮発性が低いが、なんらかの形態で気相へ移行した可能性が考えられる。本研究では、事故時の海水注入により金属ジルカロイ表面にNaClが乾固し、水蒸気酸化されることでZrを含むエアロゾルが発生した可能性に着目した。NaClを乾固させたジルカロイを水蒸気中で酸化させてエアロゾルの発生、酸化速度、酸化後組織を調査し、NaCl存在下におけるジルカロイの水蒸気酸化メカニズムを評価した。その結果、酸化後のジルカロイ表面において粉末状のZrO2の存在が確認され、水蒸気酸化反応にNaClが関与することで形成したと推定した。