講演情報
[1G06]PWR構成材料のSCC機構研究粒界酸化への材料組成の影響
*寺地 巧1、山田 卓陽1、山岡 祐樹1、有岡 孝司1 (1. INSS)
キーワード:
応力腐食割れ、粒界酸化、PWR1次系、ステンレス鋼、ニッケル基合金
SCC機構研究として、PWR1次系模擬環境下で600合金、ステンレス鋼および690合金の応力を付与していない条件下での基礎的な腐食および粒界酸化挙動を評価した。応力を付与していない条件では、600合金のみが顕著な粒界酸化を生じさせた。これは、ニッケル濃度が高いために安定なスピネル構造の酸化物を形成し難い状況となっていると理解された。ステンレス鋼および690合金については、600合金と同等の顕著な粒界酸化は生じないが、ステンレス鋼では粒界部でのニッケル濃化と僅かな粒界酸化の兆候が認められた。これら、粒界部での物質拡散と酸化はSCCに寄与しているものと推察される。