講演情報

[1G10]原子炉圧力容器鋼におけるFeMnNi(Cu)クラスター安定構造の分子動力学解析

*CHEN YUTING1、森下 和功1 (1. 京都大学)

キーワード:

1.FeMnNi クラスター、2.分子動力学、3.安定構造解析

原子炉圧力容器(RPV)鋼の寿命や安全性を評価する上で、材料の脆化挙動の理解は重要な課題です。特に、高銅含有量の合金では、不純物が集合してMn-Ni-Siクラスターを形成する現象が観察されています。一方、低銅合金においても、高い照射量を受けた条件下ではMnNiまたはMnNiSi析出物が急速に生成することが明らかになっています。これらのクラスターは合金の結晶特性に影響を及ぼし、RPV材料の脆化を加速する主因の一つとされています。しかし、実験的にはクラスターの存在が確認されているものの、その微視的な構造特性や安定性については十分に解明されていません。本研究では、分子動力学(MD)法を用いて、合金中におけるFeMnNi(Cu)クラスターの形成をシミュレーションしました。シミュレーションの結果、各合金成分の組成がクラスターの安定構造や生成プロセスに与える影響を明らかにしました。