講演情報

[2G10]流動鉛ビスマス中において自己修復したアルミリッチ保護性酸化被膜の密着性に関する研究

*北村 嘉規1、瓦井 篤志1、近藤 正聡1、斎藤 滋2、大林 寛生2 (1. Science Tokyo、2. JAEA)

キーワード:

FeCrAl合金、加速器駆動未臨界炉、鉛冷却高速炉、液体鉛ビスマス、自己修復被膜、被膜密着性

加速器駆動未臨界炉(ADSs)や鉛冷却高速炉(LFRs)の候補構造材料としてFeCrAl合金が期待されている。本研究の目的は、流動鉛ビスマス中におけるFeCrAl合金上の酸化被膜の自己修復挙動と密着強度を明らかにすることである。腐食試験はJAEA/J-PARCの鉛ビスマス高温腐食試験ループ(OLLOCHI)を用いて、FeCrAl合金であるAPMT(Fe-21Cr-5Al-3Mo)を対象に、流速1 m/s, 試験温度450 ℃, 酸素濃度10-4~10-6 wt.%、浸漬時間2000時間と4000時間の腐食試験を実施した。予備酸化処理施した試験片は、表面に形成されたα-Al2O3被膜により2000時間の腐食試験後も優れた耐食性を示した。予備酸化処理なしの試験片では、2000時間腐食試験後に表面に約100 nmの保護性酸化被膜が形成され耐食性を示した。更に、人工的に被膜に損傷を与え、追加の2000時間腐食試験を連続して行った結果、損傷部に約100 nmの厚さの酸化被膜が再形成したことが分かった。マイクロスクラッチ試験によりせん断方向の被膜密着性を評価し、被膜基材界面の凹凸形状の粗さとの関係も明らかにした。

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン