講演情報

[2H13]NaおよびCaイオン共存系における薄片状黒雲内へのEuの拡散挙動

*波多野 快1、千田 太詩1、関 亜美1、新堀 雄一1 (1. 東北大学)

キーワード:

薄片状黒雲母、ユウロピウム、拡散、収着、共存イオン、イオン交換

地層処分場周辺の岩盤には核種移行を遅延させる効果が期待されており、本研究ではその寄与が大きい黒雲母に着目した。実環境においては、従来評価における黒雲母を粉砕した状態とは異なり、薄片状の黒雲母には内部への拡散過程が考えられ、収着速度を律速する可能性がある。また、地下水中のNa, Caによる核種収着との競合も考えられ、その影響評価が重要である。そこで本研究では、NaおよびCa共存系における薄片状黒雲母へのEuの拡散挙動を検討した。収着実験は、薄片試料の個体差を考慮し、固相を変えずに7日間に亘り濃度変化を追跡した。得られた濃度変化に対して二次元拡散モデルをフィッティングさせ、薄片試料内へのEuの見かけの拡散係数を算出した。また実験後の固相はTOF-SIMSを用いて薄片内のEu分布を測定した。その結果、Naイオン共存条件ではEuの収着率が僅かに大きくなる傾向が見られ、これはNaが黒雲母薄片端部の層間を膨潤させることによると考えられる。