講演情報

[2H15]フライアッシュのセメント利用に向けた有害化学物質の溶出挙動およびヨウ素との相互作用の検討

*荒谷 槙人1、関 亜美1、千田 太詩1、新堀 雄一1 (1. 東北大)

キーワード:

フライアッシュ、ヒ素、六価クロム、溶出、ヨウ素、収着

放射性廃棄物処分場に用いられるセメント系材料の一つとして、フライアッシュ(FA)を混合したFAセメントや低アルカリ性セメントの利用が検討されている。本研究ではFAのセメント利用における予察的検討として、FAが含有する有害化学物質のうちヒ素(As)と六価クロム(Cr(VI))に着目し、FA単体、および、FAとCaOを混合した条件(セメント混合を想定)において、超純水を用いた6時間振とうによってその溶出挙動を検討した。また核種収着によるバリア機能としては、ヨウ素を対象とし、同様にFA単体、および、FAにCaOを添加した条件において、NaIまたはNaIO3 0.5 mM溶液を用いて1週間振とうにより収着挙動を検討した。結果は、AsおよびCr(VI)の溶出については、CaOを混合することで顕著に溶出濃度が低減した。またヨウ素の収着については、CaO添加によりIO₃-では濃度低下が見られたが、実際の地下環境で主要となるI-については濃度変化が見られなかった。