講演情報

[2I09]レーザー核融合炉内の誘電体多層膜ミラーが受けるヘリウムイオンによる放射線損傷の実験的評価

*佐藤 匠1、荻野 靖之2、耿 殿程2、長谷川 晃2、笠田 竜太2、三輪 美沙子2、松山 成男2、重森 啓介1、山ノ井 航平1 (1. 阪大、2. 東北大)

キーワード:

レーザー核融合、最終光学系、誘電体多層膜ミラー、ヘリウム

レーザー核融合炉では核融合反応によって生じた各粒子が炉内の構成要素に損傷を与えるため,その影響評価が重要である.レーザー核融合炉内で用いられる多層膜ミラーの放射線耐性を評価するために,東北大学FNLのダイナミトロン加速器を用いてHfO2/SiO2多層膜ミラーに対してヘリウムイオンビームを照射する実験を行い,その反射率変化とミラーの損傷を評価した.Heのエネルギーが1.5 MeV, フルエンス2.5×1018/cm2の照射後,ミラーは完全に故障し表面に気泡や多層膜の剥離,基板内での空孔形成などが確認された.これらの変化はヘリウムが材料内で気泡を形成し、気泡が成長することで生じる亀裂およびブリスターに起因する損傷が主要因だった.