講演情報

[3H04]処分環境において共存するAlが過飽和ケイ酸の析出に及ぼす影響の評価

*日下 佑太朗1、千田 太詩1、関 亜美1、新堀 雄一1 (1. 東北大)

キーワード:

地層処分、過飽和ケイ酸、析出、核種移行、アルミニウム

地層処分場周辺では、セメント系材料のアルカリ成分が溶出することでpH変動場が形成され、ケイ酸析出に伴う地下水流路の狭隘化による核種の移行遅延が期待される。本研究では、Al濃度や温度をパラメータとして、Al濃度を0~1.4 mM、温度を15~40℃範囲で析出実験を行い、得られた見かけの析出速度定数よりAl共存下における過飽和ケイ酸の析出挙動を検討した。その結果、見かけの析出速度定数は温度の上昇とともに大きくなった一方で、Al濃度が高いほど小さくなっており、Alが固相表面への析出を阻害する可能性が示唆された。しかし、いずれの条件でも見かけの析出速度定数は10-10オーダーであり、Al共存下においてもケイ酸析出による流路閉塞が期待できる可能性が示された。また、見かけの活性化エネルギーは50~65 kJ/molと得られ、ケイ酸分子の重合に関する活性化エネルギー(40~60 kJ/mol)よりも若干大きいことから、アルミノケイ酸塩の生成等といった別の反応の関与が考えられる。