講演情報

[1H-01]ミュージアム訪問者に多様な視点を持たせるための「なりきって答える」対話型鑑賞支援システム

*中野 暁登1、瀧平 士夫2、澤浦 司3、莊司 慶行1、山本 岳洋4、山本 祐輔5、大島 裕明6、相原 健郎7、神門 典子8 (1. 静岡大学情報学部、2. 大日本印刷株式会社、3. 株式会社 ALGO ARTIS、4. 兵庫県立大学社会情報科学部、5. 名古屋市立大学データサイエンス学部、6. 兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科、7. 東京都立大学都市環境学部、8. 総合研究大学院大学)
発表者区分:学生
論文種別:ロングペーパー
インタラクティブ発表:あり

キーワード:

Visual Thinking Strategy、博物館、対話システム

本論文では,ミュージアムにおいて個性豊かなキャラクターたちと質問を出し合いながら展示物を観賞することで,ものごとを注意深く観察する能力を身につけさせる手法について提案する.ミュージアムは学習にも用いられるが,その際に受動的な観賞をすると見たものが記憶に残らないため,様々な質問を挙げながら鑑賞する方法である「VTS(Visual Thinking Strategy )」が提唱されている.一方で,訓練を受けていない個人が,自分では思いつかないような多様な観点から,様々な疑問を挙げることは困難である.そこで本研究では,生成型言語モデルを用いて,架空のキャラクターと質問を出し合えるアプリケーションを作成した.利用者は,それぞれ独自の個性を持ったキャラクターの質問を読み,時に誰かのキャラクターになりきって質問を考えることを強いられる.自分とは異なる個性を持った人物になりきって質問を考えることで,ひとりでも多様な観点で展示物を観賞し,疑問を見つける能力を鍛える.実際にシステムを実装し,国立民族学博物館で被験者実験をすることで,この支援システムが利用者の疑問を思いつく能力や鑑賞内容を覚えているかに影響するかを明らかにする.